かつての「鉄板」は通用しない! 女子が望む今どき「デートカー」事情とは (1/2ページ)

クルマを「もって」なくても問題なし!

「デートカー」という呼び名そのものに、ちょっと昭和のかおりがするかもしれませんが、それもそのはず。バルブ景気で日本中が活気にあふれていた1980年代半ばから1990年代前半にかけて、若い男性たちが憧れ、手に入れた男性たちには女性が群がり、助手席を奪い合ったクルマがいつしか「デートカー」と呼ばれるようになったのです。

 代表的なクルマといえば、ホンダの2代目プレリュード、トヨタの2代目ソアラ、日産のS13シルビアの3台。どれも2ドアクーペタイプのボディに、当時としては先進のパワートレインやシャシーを搭載し、軽量ボディでスポーティな走りを実現していた、スペシャリティカーとも呼ばれたモデルたちでした。

 ただ、今思えばこれらのデートカーは、持ち主の男性たちが自分の存在をアピールするため、羨望の眼差しを受けて気分良くなるための演出、小道具だったように思えてなりません。男性たちは、町中にいい音を響かせて周囲の気を引き、「俺のクルマ、カッコいいだろ? オレのオンナ、美人だろ?」と見せつけ、実際にそれがものすごく羨ましく思えた、いい意味で単純でわかりやすい時代だったのだと思います。

 でも時代は移り変わり、これだけジェンターフリーやLGBTの尊重が叫ばれる世の中ですから、当時のようなデートカーが廃れたのは当然かもしれないですね。ただ、今も昔も、カップルが楽しい時間を過ごすために、クルマが重要な役割を果たしてくれるという事実は変わりません。そこで今回は、最新のデートカーってどんなクルマ? どんな要素が求められるのか? といった条件をご紹介したいと思います。

 まず今の若者たちは、相手に必ずしも「クルマを所有している」ことを求めているわけではありません。それが親のクルマだろうが、カーシェアやレンタカーだろうが、出どころはそれほど重要じゃないのです。これは今の時代、クルマを持っているからといって、お金持ちだったり高収入だったり、という証明にはならないし、むしろ使いたいときだけカーシェアのクルマを使う方が効率がよいとか、賢いお金の使い方をしている、という評価になる場合もあります。

 では、何を重視しているのかといえば、「どれだけ自分をもてなしてくれるか。快適にしてくれるか」と、「荷物がたくさん積めたり、車内で着替えができたり、いろんなシーンで便利に楽しめるクルマかどうか」に尽きます。加えて、「燃費がよくて経費が安く済むこと」がクリアできたらさらに優秀なデートカーということになるでしょう。この点でまず、車高が低くて乗り降りは大変、乗り心地は悪い、うるさい、景色はよく見えない、燃費もイマイチ、といったスポーツカーは速攻で落第。まれに、オープンカーは好きという若者もいますが、荷物がたくさん積めないことがネックとなってしまいそうですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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