【試乗】新型レヴォーグに公道で初乗り! アイサイトX付きのSTI Sportが走りも静かさも乗り心地でもベストバイ (4/4ページ)

STI Sport EXがベストバイグレード!

 というわけで、市街地、首都高、高速道路、ワインディングロードをおよそ200キロ走破した結論としては、新型レヴォーグの運動性能、走りの質感、快適性の高さ、進化の大きさ、洗練度に、改めて驚かされ、納得できたのだ。そしてまた、アイサイトXを備えた、STI Sport EXこそが、どう考えてもベストバイグレードだということも、上記のさまざまな理由から、確信したのである。

 GT-H EXとの価格差は38万5000円にもなるが、本革スポーツシート、ドライブモードセレクト、電子制御可変ダンパー、内外装のSTIスペシャルパッケージ、もっと言えば、将来の下取り価格も含めて、価格差は当然!! という印象を強く持てた。個人的にグレードを選ぶなら、アイサイトX搭載車は絶対として、迷うことなく”男は黙ってSTI Sport EX”である。実際、先行予約でのグレード別予約率は、STI Sport EXが54%、GT-H EXが31%で(STIスポーツ2グレード計で57%)、アイサイトX選択率は93%に達するというから、新型レヴォーグのユーザーは、なるほど、わかっている。

 ところで、新型レヴォーグはスポーツワゴンであり、ワゴン機能にも触れずにはいられない。ボクは過去にもステーションワゴンを2台、今でもドイツ製コンパクトワゴン愛用しているほどのワゴン派であり、だからワゴン機能にかなりうるさいのだが、新型レヴォーグはその点でも文句なしだった。

 パッケージ面では、25mm伸びたホイールベースのすべてを、リクライニングが1段できる後席のニースペースにあて、身長172cmの筆者のドラポジ背後に着座すると、ニースペースは先代の175mm(これでも十分に広いが)に対してぴったり200mmとなり、ゆったり足が組めるほど(頭上空間120mmはほぼ不変)。同時にフロアからシートまでの高さ=ヒール段差も高くなり、椅子感覚の自然な姿勢で着座できるようになったのも褒められる点だろう。先代になかった後席エアコン吹き出し口も完備。より広く、空調も行き届く、アップライトな姿勢で座れる後席になっているのだ。

 ラゲッジスペースは、フロア奥行き1070mmこそ先代同等だが、それ以外の部分はすべて拡大。先代比+10リットルのVDA容量492リットルを確保し、ゴルフバック4セット、4人分のアウトドアグッズを、後方視界を確保した上で積み込むことができる。さらに床下に69リットルものサブトランクを備えているから、荷物の積載性は完璧である(機内満ち込みキャリーバッグがすっぽり入る!!)。

 さらに、後席を格納した時のフロアは完全にフラットで(フロア奥行き約1640mm。後席背面までなら約2000mm)、開口部に段差がないため、重く大きな荷物の積載、出し入れ、ワゴンとしての使いやすはもう抜群だ。しかも、リヤエンブレムに手やひじをかざすだけでバックドアが開く新開発パワーリヤゲートは、両手に荷物を持っているとき、両手にペットをひいているときなど、もう便利この上なし。

※鼻で開くか実験したら、

開いた!!!

 それだけじゃない。先代レヴォーグの後席は6:4分割だったのだが、新型は4:2:4分割となり、センターの2部分のみを倒してアームレストとして活用できるとともに、センタースルー機能でスキー板のように長尺物を車内側に積み込むことができる。また、大型犬などのペットをラゲッジルームに乗せなくてはならない場合でも(後席推奨)、後席の飼い主とのアイコンタクトが容易になり、エアコンの風が届きやすく、お互い安心、快適に新型レヴォーグの極上のドライブを楽しむことができるのである。

 そう、新型レヴォーグは、走りをメインに考えるスポーツワゴンユーザー、スバルファンはもちろん、アウトドア派、サーフ&スノースポーツ派、そして愛犬家にも、これ以上望めない、国産スポーツワゴン史上最高の1台と断言したい。なんて書いているうちに、過去から現在に至るまでワゴン派のボク(わが家)としては、無性に欲しくなってきているところだ……(本革シートはわが家には適さないので、STI Sport EXのファブリックシートがあれば最高!!)。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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