新型日産GT-Rのこれまでの歴史と維持費について解説

新型日産GT-Rのこれまでの歴史と維持費について解説

5年の沈黙を破り2007年に誕生!

 日本にも世界に誇るクルマは多数存在する。そのなかでもTOP5に入ってもおかしくない存在が、日産GT-Rだろう。それまで伝説を作り続けてきたスカイラインGT-Rからの伝統も受け継ぎつつ、最新の日産GT-Rについて解説しよう。

【関連記事】【CARトップTV】驚異の59秒361を記録! 日産GT-Rニスモ2020年モデルの筑波アタックに密着

R35GT-Rのフロントスタイリング画像はこちら

日産GT-Rとは?

 スカイラインGT-R(R34型)が生産終了となった2002年から5年。2007年12月にスカイラインの名と決別し、日産GT-Rとして復活を遂げた。4WDシステムを持つスポーツクーペという共通点を持ちながら、GT-Rの伝統だった直6エンジンから最新のV6ツインターボへと変更されている。ほかの国産スポーツモデルでは、レクサスLFA以外には例のない、エンジンとトランスミッションを分離して配置するトランスアクスル方式を採用。スポーツカーにとって重要な前後重量配分を最適化している。

GT-Rの構成図画像はこちら

 また、開発段階から積極的にドイツ・ニュルブルクリンクにてテストを実施。世界一過酷と言われるサーキットで走り込むことで、性能を磨き上げていった。発売から13年が経つ現行モデルにおいても、ニュルブルクリンクでのテストは続いている。

ニュルブルクリンクを走る初期型GT-R画像はこちら

 デビュー当時はポルシェターボにも負けない性能ながら777万円というプライスにも注目が集まった。現行モデルでは1082万8400円からという、いわゆるスーパーカー並のプライスがつけられているが、国産スポーツカーでは、希少な“スーパーカー”と呼べるモデルとなっている。

日産GT-Rの歴史

 2001年の東京モーターショーにてコンセプトモデルが、2005年の同じく東京モーターショーにてプロトタイプが公開。そして満を持して2007年12月に待望のデビューとなっている。車輌型式は、これまでのスカイラインGT-Rに続く、R35となった。

 進化の過程で、エンジン出力はどんどん向上していく。VR38DETT型エンジンはデビュー時480馬力だったが、2018年12月の改良で485馬力に。その後2011年モデルでは530馬力、2012年モデルへの進化時は550馬力、2017年モデル登場時に570馬力までアップしている。

デビュー時のエンジン画像はこちら

 エクステリアデザインは、進化の過程で変更が加えられている。デビュー時の2007年モデルから2010年モデルまでが最初期となる。2005年の東京モーターショーに出展されたプロトのデザインから大きく変わらず、現行モデルと比べるとシンプルなデザインだ。フロントバンパーなどのダクトは最小限となり、バンパー左右下部に配置するエアロフィンも1カ所ずつとなっている。

R35GT-R2007年モデル画像はこちら

 初のマイナーチェンジとなる2011年モデルは、初めてエクステリアにも手が加えられた。フロントバンパーとリップスポイラーは形状変更となり、グリルとバンパーの開口部が広げられている。また、左右に設けられていたエアロフィンは2カ所ずつとなり、そのうち上段にはLEDデイライトも備わっている。

初のモデルチェンジとなった2011年仕様画像はこちら

 リヤもディフューザー形状の変更、LEDバックフォグランプの追加、左右のエアダクト追加など、スポーティさが際立つスタイリングに変更されている。また、スカイラインから続く伝統の4灯丸テールランプも、法規の関係で同時点灯ができなかったのだが、2012年モデルのマイナーチェンジと同時期に法改正が行われて4灯がすべて同時点灯可能になっている。

4灯同時点灯となった2012年モデル画像はこちら

 2014年モデルは、これまでのモデルと現在販売されている最新仕様への過渡期モデルと言ってもいいだろう。ヘッドライトはLEDタイプに変更され、稲妻のようなデイライトもプラスされている。テールランプも大粒のドットタイプからリング方式になり、スマートな印象だ。

2014年モデル画像はこちら

 そして2017年以降のモデル。現在新車で購入できるのもこのデザインとなっている。最新の日産車デザインに取り入れられる、Vモーショングリルを採用したフロントマスク。それに伴ってバンパー左右にダクト形状のようなデザインが与えられた。また、ボディ形状にも手が加えられ、空力性能も高まっている点も見逃せない。

フロントマスクが変わった2017年モデル画像はこちら

 このほかにもサスペンションの仕様変更、ブレーキの大型化などが行われており、日産GT-Rの歴史は、さらなる速さを追求するための熟成といえるだろう。

究極の日産GT-R「NISMO」

 これまで、ベースモデルに対して走りを追求したグレードが投入されてきた。最初は2009年に登場したスペックV。2シーター化とレーシングカーが採用するカーボンブレーキ、そして手が加えられたエンジンと、徹底的に運動性能を追求したモデルだ。その後、専用サスペンションやホイールを備え、スペックV同様にリヤシートを廃して2シーター化したFor TRACK PACKというグレードを追加してきた。

初の追加グレード「スペックV」画像はこちら

 そして、満を持して登場したのが、究極のGT-RともいえるNISMO(ニスモ)だ。日産車でのモータースポーツ活動を担うニスモが、サーキットで得たノウハウなどの知見を活かし、GT-Rの性能を引き出したモデルである。

2014年モデルに登場したGT-Rニスモ画像はこちら

 ニスモシリーズは、日産車の潜在能力を引き出し、運転する楽しさを追求したカスタマイズカーシリーズ。そのなかでもGT-Rは特別な存在であり、ニスモシリーズの象徴である。

 搭載するVR38エンジンには、レーシングカーであるGT-R NISMO GT3に使われるものと同じターボが使用されている。最高出力は600馬力まで高められ、エンジン制御も専用となる。エクステリアデザインは、大型のリヤウイングをはじめ、エアダクト付きのカーボンフロントフェンダー、空力を追求した専用エアロバンパーなどを装備。ブレーキも、レーシングカーさながらのカーボン製となる。

GT-Rニスモのエンジン画像はこちら

 また、ドイツ・ニュルブルクリンクにおける量産市販車最速を目指し、GT-Rニスモ専用のオプションアイテムを装着した仕様が7分8秒679を記録。2014年当時の最速となっている。また、この仕様は「N Attack Package」として市販された(現在は受注終了)。

当時ニュル最速となったGT-Rニスモのテスト車画像はこちら

 究極の性能が与えられているだけあり、プライスもスペシャルだ。ベースモデルの最上級グレードであるプレミアムエディションが1232万9900円であるのに対し、GT-Rニスモは2420万円。約2倍という価格である。しかし、手が加えられている内容を考えると、バーゲンプライスといえるのかもしれない。

GT-Rニスモ2020年モデル画像はこちら

日産GT-Rの維持費は高いのか?

 エントリーグレードでも1000万円を超えるクルマだけに、維持費は気にしないというひとも多いかもしれない。とはいえ、いくらぐらいになるのか気になるひとも多いだろう。そこで、今回は最上級モデルのプレミアムエディションをベースに、GT-Rの維持費をシミュレーションしてみよう。

 まず、ベース車価格はオプションなどなしの状態で1232万9900円。自動車税は3.5L超〜4L以下ということで、6万5500円(年額)となる。なお、日産自動車のオンライン見積もりでは、12月登録で総額1268万8154円となっている(オプションなど有料となるものはすべて選択せず)。

 車検費用に関しては、初期モデルの2007年モデルが初回車検を迎えた際の見積り金額を見ると、当時(2010年12月)の自賠責保険や重量税、印紙代といった諸費用、そして法定点検や代行手数料を加えて13万9485円。ただし、これには点検時に発覚した消耗品交換代などは含まれていない。ちなみにこの個体は、初回車検時に約6万kmを走破しており、ブレーキパッド&ディスクローターの交換がメニューに追加されていた。金額にして約55万円。消耗品交換は部位によって高額となるので備えておいたほうがいいだろう。また、純正部品よりも価格が抑えられる社外品を用いる方法もあるが、これは好みによってチョイスしたいところだ。

メンテナンス中のGT-Rイメージ画像はこちら

 駐車場は、東京都内では中央区や港区などでは平均して5万円前後。ただし、GT-Rの場合は車体も大きい(全長4710mm×全幅1895mm×全高1370mm)ため、昔ながらの立体駐車場などでは入庫できない可能性もあるので注意が必要だ。最新のタワーパーキングなどは、月極料金も上がる可能性があるので、要検討である。

 また、気になる項目のひとつに挙がるのが燃費ではないだろうか。プレミアムエディションの燃費性能はWLTCモードで7.8km/Lとなっている。市街地モードは5.2km/L、郊外モードは8.4km/L、高速道路モードは9.4km/Lだ。近年のエコカーと比べてしまうとオドロキの数字に見えるが、570馬力を発揮するスポーツモデルなら致し方ないだろう。ちなみにGT-Rとスペックの近い、580馬力を発揮する4WDスポーツのポルシェ911ターボは、欧州値ではあるものの、11.1L/100kmとなる。わかりやすく日本での表記に変換すると約9km/Lとなる。

走行する2020年モデルのGT-R画像はこちら

 GT-Rの場合、燃料タンク容量は74L。数値上での計算だと、577km走行可能となるが、おそろらくこれよりも短くなることだろう。ちなみに、74Lを満タンにするにはおよそ1万360円(本稿執筆時点のハイオク平均価格140円で算出)。毎回74Lを満タンにすることはあり得ないので、約4分の1が残った状態の約56L給油では、約7770円。エコカーに比べれば高いかもしれないが、気持ちいい走りを楽しんだ対価ともいえるだろう。

 自動車保険においては、インターネット保険にて簡易見積りをした結果、40歳普通免許(非ゴールド)、本人のみ保険適用、30歳以上補償、年間走行距離を9000km以下という条件で年額19万7370円。人身障害は3000万円/1名、保険金額は985万円での結果だ。同条件で先代ノートe-POWERは年額12万3900円なので、やはりスポーツカーは割高である。ただし、これは契約者の条件などによって変動するので、あくまでもひとつの目安である。目立つクルマだけに、いたずらや盗難の可能性もある。万が一の際に備え、車両保険も手厚くつけておいたほうが安心だ。

日産が進める戦略と今後のスポーツカー

 日産自動車は、「ニッサンインテリジェントモビリティ」というテーマを掲げ、さまざまな先進技術を投入している。そのなかでも、注目を集めているのが電動化だ。ほかの国産メーカーに先駆けて、市販乗用車タイプの電気自動車を発売。そのほかにもガソリンエンジンは発電機とし、モーターのみで駆動するe-POWERなどをラインアップしている。

 そこで気になるのが、スポーツカーの未来だ。GT-RやフェアレディZはどうなるのだろうか? フェアレディZについては、次期型のプロトタイプが公開されたばかり。V6ツインターボの純粋なガソリンエンジン車として発売される予定だ。

次期型フェアレディZのプロトタイプ画像はこちら

 気になるのは、GT-Rである。2007年の登場から13年。これまでも多くの次期型に関する“ウワサ”が報道されてきた。その数多くのウワサのなかに、GT-Rが電動化するという話も存在した。といってもEVではなく、ハイブリッドになるというもの。

 多くの電動化モデルを世に送り出している日産だけに、何かしらの電動化技術を投入してくる可能性は大いにある。劣化した駆動用リチウムイオンバッテリーを再生することも可能になっている。R35GT-Rも、これまでの日産車に投入された技術をGT-R専用にアレンジして採用するといったことも行われているので、バッテリーパワーを速さに応用するような技術が投入される可能性も大いにある。

 純粋なガソリンエンジン車は将来日本でも新車販売ができなくなる。そうなれば、GT-Rというクルマを残すのならば電動化は免れない。GT-Rはその時代の最先端技術を投入してきたモデル。電気の力を使ってどのような走りを披露するのか、非常に興味深い。

GT-Rは日本が世界に誇る名車だ!

 発売から13年、熟成極まるGT-R。発売当初はスカイラインの名が付かない、そして直6ではなくV6エンジン、そしてマニュアルではなくDCTと話題になった。今では世界中のクルマ好きから、日本のスーパーカーとして人気を集めている。初期物は中古車価格も手ごろになってきている。世界に誇るGT-Rを、ぜひ一度体感してみてはいかがだろうか。

GT−R2020年モデルの走行シーン(リヤ)画像はこちら

画像ギャラリー


新着情報