クルマの進化とともに流行り廃りあり! 時代を彩ったボディ形状の変遷をたどる (2/2ページ)

ミニバンブームの次は使い勝手の良いSUVが台頭してきた

 さらにワゴンと比べると、乗用車ライクを不満ない程度に確保しつつ、定員数や使い勝手が大幅に向上しているとなると、ミニバンに移行するのも当然の流れで、1990年代後半ぐらいから、ワゴンからミニバンへのシフトが顕著になった。ユーザーの多くはファミリー層だけに、なおさらだった。

 そして今はSUVブームで、あれほど人気だったミニバンは下火に。実際にモデル数は激減して、マツダのようにミニバンがなくなってしまったメーカーもあるほどだ。ではなぜ、あれほど人気で、使い勝手に不満はまったくなかったミニバンからSUVへと移行したのだろうか。これという正解はないのだが、よく聞くのが「所帯くさい」というのと、「結局、3列シートは不要だった」という意見。

 確かに少子化もあり、3列目まで全部使ったのは年に数回だけという声も聞く。そもそも所帯くさいのがミニバンの持ち味だっただけに、それを言われてしまうとどうしようもないが、消えていったミニバンたちを見つつ、所帯くさくないトヨタのアルファードとヴェルファイアが売れていることを考えると、正解ではあるだろう。

 また使い勝手もいいのがSUVのいいところで、ワゴン的に使えるラゲッジはやはり頼もしいし、ひと口にクロスオーバーと言っても、さまざまなエッセンスやキャラクターが混ざっていて、個性派ぞろいというのも人気を後押ししているし、なによりもデザインがどれも洗練されている。そのほか、車高が高いので運転しやすかったり、家族全員がゆったり座れたりと快適に移動できる。

 家族で乗りつつ荷物もたくさん積めて、乗用車ライクな走りが楽しめるという点ではセダンからSUVまで一貫しているが、実際の使い勝手やイメージなどに合わせて変遷してきたと言っていいだろう。ちなみに各メーカーとも、SUVからの次の一手がなにかはわからないとされるだけに、今後どのようなボディ形状が登場し、流行るのかは興味があるところだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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