レーシングドライバーが思わず「惜しい」! 最新車4台の「デキが良い」からこそ「気になる」ポイント (2/2ページ)

もう一歩使い勝手が高まればさらに優秀なモデルになる!

3)ホンダN-ONEのリヤシート

 フルモデルチェンジを果たしたN-ONEのRSに試乗した。S660に採用されていた6速MTを装備するなどスポーツ性の訴求に余念がない。外板はキャリーオーバーしつつ、前後ライティングをLED化するなど、モデルチェンジは効果的に行われていると感じられたのだ、が。

 後席に乗り込むとシートの質感が異様に安っぽいことに気がつく。前席や室内の雰囲気が向上しているのに後席シートだけが安っぽい。聞けば前モデルからキャリーオーバーしているという。せっかく4ドアで4人乗れる実用性があるのに、後席の居住性だけが置き去りにされてしまっていた。後席重視派にとっては大きなマイナスポイントになってしまうのだった。

4)三菱エクリプスクロスPHEV

 電動車でSUVでありながら、ランエボの走りのDNAを引継いでいるエクリプスクロスPHEVの走りは、あらゆる場面で素晴らしい。ただ残念なのは後席のユーティリティが低下したことだ。後席リクライニングとヒートシーターなど、僕の要望が叶えられた部分は大きな評価ポイントだが、後席の前後スライドが廃止されてしまった。

 PHEVシステムのスペース確保でスライド機構の設置が難しかったと推測するが、使い勝手のいい他社にはない優れた装備であっただけに残念でならない。加えてリヤゲートの開閉が手動というのも電動モデルを謳うのに相応しくない。アウトランダーPHEVはダブルリンクの複雑な開閉機構が不評だったが、今ならダンパー内蔵のコンパクトなタイプが流通しているのに、と残念に思えたのだ。

 そのほか、ホンダ新型フィットの後席スペース縮小とリクライニング機構廃止、三菱eKクロスの加速時騒音とシートの座り心地、ホールド性、マツダCX-5ブラックトーンエディションなのにルーフライナーがブラックじゃない。AWD車のハンドリングに面白みがない。マツダMX-30 EVのトルクステアの大きさ、エンジンルームがスカスカで見映えが悪い。日産新型ノートの後席居住空間の縮小、などが心の中にマイナス点として印象付けられている。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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