「隣のクルマが小さく見えます」「ポリシーはあるのか」! CMから開発者のコメントまで「あからさま」な対決姿勢を繰り広げたクルマたち (1/2ページ)

CMやカタログ上での挑発も!

 自動車に限らず、さまざまなジャンルでライバル同士はしのぎを削るのは当然だ。商売ゆえ当然のことで、ときには徹底抗戦となることも。古いところではトヨタのカローラと日産のサニーの対決で、「プラス100ccの余裕」とか「隣のクルマが小さく見えます」が有名なところで、直接的な比較広告を嫌う日本人の国民性がありながらも、露骨に挑発しあったというのは、よほどな感じだ。まぁ、クルマ好きからすると面白かったりするが。

 近年で見てみると、記憶に鮮やかに残っているのが、2000年代初頭のホンダとトヨタの対決だろう。まず前哨戦的にあったのが、5ナンバーのトールタイプミニバンで、先駆者であるホンダのステップワゴンに対して、トヨタがノア/ヴォクシーを投入して対決となった。ただこれは日産のセレナなどもあったし、みんな売れていたので騒動にはならなかったが、ホンダにしてみれば面白くはなかっただろう。

 そして大きな話題(騒動)にもなったのが、ホンダのストリームとトヨタのウィッシュの真っ向対決だ。ストリームは2000年に登場して、低車高の走りに振ったミニバンというコンセプトと登場して、オデッセイとの住み分けもうまくいくなど順調だった。

 そこに対して2003年に登場したのがトヨタのウィッシュで、ストリームに対して100cc多い(ここでもプラス100ccの余裕だ)1.8リッターを用意したり、ベーシックグレードの価格をまったく同じにするなどの明らかに意識した戦いとなった。

 ホンダはCMで「ポリシーはあるのか?」という挑戦的なキャッチコピーを投げつけつつ、初代ウィッシュが登場したときには責任者が「ストリームが2代目になってもこっちが上」的な発言をするなどまさに全面戦争状態。

 結果は覚えている方もいると思うが、ウィッシュの圧勝となり、最高で年間15万台を売るヒット作に。ストリームは結局2014年に姿を消してしまった。ただ、ミニバンブーム自体が落ち着いたことで、2017年にはウィッシュも消滅してしまったのは、まさに兵どもの夢の跡といった感じだった。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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