マイチェンで数字を伸ばしたのになぜ? ホンダがオデッセイを終了させる謎 (3/3ページ)

中国ではお洒落ミニバンのポジションで安定して売れている

 次は世界最大の新車販売市場となる中国。中国では2社あるホンダの合弁会社のうち、広汽本田(広州ホンダ)でオデッセイは生産されている。なお、もうひとつの合弁会社である東風本田では兄弟車となるエリシオンが生産されている。オデッセイ、エリシオンともに2リッター直4エンジンベースのハイブリッド仕様のみとなっている。

 2021年5月の中国国内における販売台数はエリシオンが5022台、オデッセイが3768台。ちなみに日系ブランドのミニバンではエリシオンがもっとも売れていることになる。現地メディアによると、エリシオンはどちらかといえば、アルファード的なクルマなのに対し、オデッセイはお洒落なデザインが特徴となっており、安定した販売台数を維持しているとのことである。ハイブリッドユニットのみというところも好感が持たれているようである。

 ちなみに、2021年5月の中国におけるミニバン販売ナンバー1は、上海通用五菱汽車(通用はGM[ゼネラルモーターズ]の意味)の「五菱宏光プラス」となり、2万533台を販売している。

 そして、中国では上海通用(上海GM)が現地生産している、ビュイックGL8というミニバンが、伝統的にステイタスが高く、ある意味日本でのクラウン並みに特別な高級ミニバンとして位置づけられている。空港から市街地までのリムジンタクシーや、白タクのオジサンまで、「クルマはビュイックGL8だから料金は高いよ」と言ってくるぐらいのステイタスを持っている。

 アルファード&クラウンヴェルファイアは、日本で製造している輸入車となり、価格もアルファードで83.90万元(約1443万円)となり、GL8の約790万円と比べても別世界といってもいい超高級ミニバンとなっている。オデッセイはもっとも高い仕様で32.38万元(約556万円)となっており、現地生産モデルでもあるので、アルファード系とガチンコで絡むことはない。

 ただ、中華系メーカーの間で日本のミニバンを研究したようなモデルが瞬く間に増えてしまった。ある大手中華系メーカー関係者は、「なぜ日本は得意のミニバンで中国に攻勢を仕かけてこなかったのですか? もったいないことをしましたね」と話してくれた。このメーカーのミニバンとなると、48V MHEV(マイルドハイブリッド)ユニットや、PHEV(プラグインハイブリッド車)なども当たり前のようにミニバンに搭載されている。ベンツやBMWのようなデジタル計器盤など、最新トレンドの装備も数多く採用しており、日系ミニバンはどちらかといえば、トレンドが古く見えてしまうのは、あくまで個人的感想なのだろうか?

 とりあえず、アメリカと中国では、日本のように生産終了が話題になるほどの販売不振状況でもなく、安定した人気の基で販売されているようである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報