「遅い」けど意のまま感が「気持ちいぃ〜」! 「走る」「曲がる」「止まる」の基本が最高のクルマ4選 (1/2ページ)

ローパワーでも楽しく安全に走れるクルマを紹介!

 スーパースポーツの世界は、すべての数字がインフレを起こしている。車両価格は億単位となることも珍しくなく、最高出力も1000馬力という数字をあちこちで見かけることができる。0‐100km/h加速も2秒台での競争となっている。

 もはや普通の人ではコントロールできないようなスペックだ。もっとも、最新のスーパースポーツは各種電子制御によって破綻しないようになっているが、それでも公道を走るには自制心がもっとも重要といえるのは間違いない。

 では、街乗りでもポテンシャルを引き出せるようなローパワーなモデルではスポーツドライビングは楽しめないのか。そんなことはない、日常でスポーツドライビングを味わうことのできるモデルは数多く存在している。そのポイントは「走る・曲がる・止まる」のバランスが取れていることで、ようは操作に対してリニアにクルマが反応してくれれば、絶対性能が突出していなくとも、ドライバーは楽しめるものだ。

 そんな日常スポーツカーというキャラが色濃いモデルを現行ラインアップから紹介しよう。

1)マツダ・ロードスター

 日常的に楽しめるスポーツカー定番といえるのがマツダ・ロードスターだろう。幌モデルは最高出力97kW(132馬力)の1.5リッターエンジンで、けっしてパワフルではないが、6速MTモデルであれば7500rpmのレブリミットまでフルに使った走りが楽しみやすい。

 そして軽量グレードでは1tを切るボディは、コーナリングとブレーキングの両面における好バランスを実現している。もちろん、FRレイアウトならではの前後バランスのよさも魅力だ。タイヤサイズが195幅とグリップに頼っていないのも、軽快感につながるもので、ライトウエイトスポーツの教科書というにふさわしい走りが楽しめる。

2)ホンダ Honda e

 つづいて紹介するのがホンダの電気自動車(BEV)のHonda e。街なかベストを目指したシティコミューター的BEVだ。小まわり性能を高めるべくフロントタイヤの切れ角を確保するためにリヤ駆動となっているのも特徴だが、それがハンドリングのすっきり感を生み出している。

 とくに中高速コーナーでのスタビリティ感は抜群で、ステアリングを修正することなくピタッと安定して曲がっていく。これは床下にバッテリーという重量物を積んだからこそのメリットだ。姿勢変化の少なさはロール方向だけでなく、ピッチング方向においても同様。電気モーターらしいレスポンスを活かした加速をすると、ともすればピッチングが大きくなってしまいギクシャクとした姿勢変化をすることもあるが、加減速での姿勢変化も最小限で、某車以上の“ゴーカート・フィーリング”がそこにはある。絶対的な速度域は低くても、スポーツを味わうことができるという好例だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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