「遅い」けど意のまま感が「気持ちいぃ〜」! 「走る」「曲がる」「止まる」の基本が最高のクルマ4選 (2/2ページ)

バランスがいいクルマはスポーツカーだけの話じゃない

3)三菱エクリプスクロスPHEV

 さて、電動化時代の現実的な解として注目されているのがプラグインハイブリッドだろう。そして、モーターならではのレスポンスとバッテリーによる低重心というパッケージはスポーティな走りを楽しむ素性の良さが期待できる。数あるプラグインハイブリッドのなかで、オススメしたいのが三菱エクリプスクロスPHEVだ。

 2.4リッターエンジンに前後モーターを組み合わせた電動4WDパワートレインは重量級で、スペック上では2tに迫る車両重量となっているが、動き始めるとまったく重さは感じない。とくにドライブモードのなかでもハンドリング重視の「ターマック」を選ぶと、三菱がラリー参戦時から鍛え続けてきた電子制御技術「S-AWC」の恩恵をフルに受けることができ、まるで1.5t級の軽量SUVのようなふるまいを見せるのだ。

 このあたり、他社とは異なりリア駆動用モーターをフロントよりパワフルにするという三菱独自のアプローチが生み出す走り味といえる。

4)プジョー・リフター

 最後に紹介するのは、プジョー・リフター。見てのとおり、スライドドアのMPV(マルチパーパスビークル)で、最低地上高を180mmとしたSUVとのクロスオーバーモデルだ。

 エンジンは1.5リッターディーゼルで、トランスミッションは8速ATのFF車である。こうしたプロフィールを聞くと、まったく走りには期待できないと思うかもしれないが、さにあらず。けっしてハイパフォーマンスというわけではないが、「走る・曲がる・止まる」のバランスが非常に高い次元でまとまっている。走るについてはディーゼルながらアクセルレスポンスに優れ、欲しい駆動トルクを正確に発揮することができる。

 スタイリングからは重心が高く見えるが、ハンドリングも素直で曲がる性能にも不満はない。乗り心地とロール感をバランスさせたサスペンションも好印象だ。そしてブレーキングについてもリニアで不満はない。このルックスから期待する以上の素性のいい走り味に、サプライズを感じるはずだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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