知られざる「ご先祖車」! いまの国産「ビッグネーム車」を生んだ昔のクルマ6選 (2/3ページ)

昭和のクルマ好きなら感涙間違いなしのご先祖さま

2)スバル・フォレスター/XV

 雪国で信頼され、定評がある、AWDの駆動方式を貫くスバルには、世界で認められている本格SUVのフォレスターや、インプレッサベースにしてXモードなどを採用し車高を上げたコンパクトクロスオーバーSUVのXVなど、悪路や雪道に強いオールラウンダーが揃っている。

 そのフォレスターやXVの先祖と言えるのが、1995年に初代インプレッサをベースに開発された、クロスオーバースタイルのインプレッサグラベルEXだった。

 当時、スバルにはレガシイアウトバックの先祖と言えるグランドワゴンも存在したが、そうしたコンセプトの流れにあるのがインプレッサグラベルEXでもあったのだ。

 インプレッサスポーツの最低地上高を30mm高め、フロントにはグリルガード、リヤにはスペアタイヤを装着し、クロスカントリーテイストをちりばめ、そして何と言ってもWRXに準じたフラット4のDOHCインタークーラーターボ、220馬力、28.5kg-mのハイスペックユニットを、4速ATまたは5速MTとともに搭載。

 今ならかなり面白そうだが、当時のユーザーには何故かあまり響かず、翌年には販売終了。

 しかし、時代が違えば人気ぶりはまったく異なるはずで、今のフォレスター、XVにそのコンセプトがしっかりと受け継がれていると思える。

3)トヨタGRスープラ

 現在、トヨタを代表するスポーツカー、復活したスープラにも、昭和のクルマ好きなら誰でも知っている先祖がいる。

 それはトヨタ・セリカ。トヨタが1970年から2006年まで製造した、国産スペシャルティカーの元祖とも言うべき存在だ。フォード・マスタングのように、フルチョイスシステムを用意したのも初代の人気の秘密で、だるまセリカ、および人気をさらに加速させたリフトバック(2000GT)があった。

 じつは、スープラの2代目まではセリカの派生車という位置づけで、北米市場ではスープラと呼ばれていたものの、日本ではスープラではなく、本名(!?)のセリカXXという車名だった。

 なぜ、アメリカでスープラに改名したかと言えば、XXは成人映画指定のハードさ(XXX=トリプルエックスとか)を想像させるからである。

 そして1986年デビューの3代目セリカ(!?)は、ようやく日本でもスープラと呼ばれるようになったのだ。3代目スープラが3000GTの別名を持つのは、もちろんトヨタ2000GTへのオマージュである。

 ちなみに、1980年代は輸出仕様ドレスアップの大ブーム真っ只なかで、2代目セリカXXに北米仕様のSUPRAのエンブレムを張り付けたクルマも多く見られた。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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