「ウザい」「気が散る」の声もある! クルマの「ヘッドアップディスプレイ」はアリかナシか? (2/2ページ)

使い慣れていくうちにメリットを感じるようになるケースも

 ところが、どうも運転に慣れた人ほど、このヘッドアップディスプレイを「ウザい」、「気が散る」などと邪魔者扱いして嫌うケースが多いという印象が。実際にそうしたユーザーの声を聞いてみると、「ヘッドアップディスプレイがなくてもとくに不便を感じない」、「知りたい情報は自分で見るから、わざわざ表示してくれなくてもいい」という声や、「これにコストをかけるなら、もっとほかの装備をよくして欲しい」といったコスト面での声もありました。

 確かに、ウインドウシールドへの照射式の場合には目線移動や焦点調整のメリットがかなり感じられるのに対し、コンバイナー式ではややメリットが少なく、視界の中に異物が入って常にチョロチョロと動いているように感じて、違和感を覚える人もいるようです。それが「ヘッドアップディスプレイはいらない」という大きな理由ではないでしょうか。

 ただ、よくよく聞いてみると、「簡易ナビが表示されるのは便利」、「制限速度や一時停止などの標識を読み取って表示してくれるのが助かる」といった意見もあり、最初は嫌いだったけど使い慣れてくるうちに、新たな利点を感じているユーザーも多いことがわかりました。

 また、なかには冗談半分で、「オーディオで流している歌の歌詞がヘッドアップディスプレイに表示されたらいいのに」という声や、「LINEの着信を表示してほしい」といった、スマートフォン連携が当たり前になったからこその感覚で、さらなる進化を求める声もありました。

 さすがにカラオケ風機能は実現しそうにないですが、ヘッドアップディスプレイの役割は、ドライバーがその時に求める情報をいかに正確に・早く認識させるかということに尽きると思います。今後さらに研究開発が進めば、これまで「いらない派」だったユーザーも利便性を感じるものに進化し、受け入れられていくのではないでしょうか。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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