2035年には純EVと燃料電池車のみ! 欧州の規制にハイブリッド車メインの日本メーカーが「怯える必要」がないワケ (2/2ページ)

欧州への依存度が低い日本メーカーへの影響は限定的

 ではこれが日本の自動車メーカーに大きな影響を及ぼすかと言うと、そうとは思わない。日本の自動車メーカーで欧州比率が高いのはマツダぐらいで、他は米国や中国などが国外のメインマーケットだからだ。

 でも米中もEVシフトなんでしょ? と言う人、あなたはマスコミの煽り記事に騙されている。

 米国では今月、バイデン大統領が電動化戦略を発表した。2030年に販売される新車の半数をBEV、PHEV、FCEVなどのゼロエミッション車にするというものだ。つまり、残り半分はHEVはおろか、エンジン車でもいいことになる。

 今回の発表は、これまでの大統領の政策同様、かなり中国を意識したもので、発言の中に何度も中国という言葉が出てくる。

 では中国の電動化戦略はどうかというと、2035年にBEV、PHEV、FCEVが該当する新エネルギー車を新車販売の50%とし、残りはHEVなどの低燃費車とするという内容。エンジン車は入っていないがHEVはOKだ。

 しかもコロナ禍前、つまり2019年の世界の自動車販売台数を地域別に見ると、トップの中国が3割弱、アメリカが約2割で、ヨーロッパは全体でもアメリカと同じぐらい。今の欧州は良くも悪くも、声の大きい少数派という感じがする。

 おまけにこれは前に書いたように、日本の多くの自動車メーカーはこれ以上に欧州への依存度は低い。たとえばトヨタのヨーロッパ比率は約1割だ。たとえゼロエミッションになっても、壊滅的な影響は受けないと多くの人が思うはず。

 ちなみに僕自身も、ヨーロッパは好きだけれど住むつもりはないので、まったく心配はしていない。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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