【試乗】先代86を「知り尽くした男」が太鼓判! 新型BRZの「軽快さが気持ちいい」走り (2/2ページ)

フラットに突き進む感覚で良いクルマ感が滲み出ている

 サーキットではフロントの応答性がマイルドで、結果として安定方向に終始するイメージだったBRZだが、それがストリートで乗ると程よいダルさに繋がっている感覚を受けた。クイックに反応する86とは違い、ジワリと動く感覚に長けている。サーキットではもう少し反応が欲しいと思ったものだが、たとえば高速道路のジャンクションなどをクリアする時には、さほど神経を使うことがないように仕立てられていたのだ。

 高速道路の継ぎ目や、一般道の荒れたシーンなどを走る際にもクルマ全体で入力を収めている感覚はなかなか。インナーフレーム化して強固に作られたことで、フロントストラット軸曲げ剛性は+60%、車体ねじり剛性は+50%、リヤサブフレーム剛性は+70%も引き上げられたこともあるのだろう。

 また、アルミ化されたナックルは片側1.5kgの軽量化を実現している。おかげで入力の収束が早いということもあるのかもしれない。フツウに走っている限り、とにかくフラットに突き進む感覚はこれまでになかった感覚。良いクルマ感がかなり滲み出てきたように感じる。それは街中をドライブしている時にも感じるものだった。

 最後にワインディングを走れば手の内に収められる感覚に優れていた。クルマ全体の応答が高まった感覚はかなりのもので、ステアすると即座にリヤが追従してくるところが好感触。クルマが小さく感じるようになるほどだった。

 軽快な身のこなしはとても排気量がアップしたとは思えない。品質向上による対策で+75kgとなった分を取り返すために、高張力鋼板の採用領域を増やしたり、材料置換を行ったことが効いているのだろう。フロントフェンダー、ルーフなどをアルミ化。さらにはマフラー、シート、プロペラシャフトまでもを軽量化したというのだから驚きだ。その甲斐あっての軽快さなのだろう。

 その上で前述したどの領域でもリニアに応答するエンジンがあるのだ。アクセルオンをすればグッとリヤが蹴り出す感覚に優れ、緊張感を従わずにヒラヒラとコーナーを駆け抜けてくれるから気持ちいい!

 絶妙なサジ加減のロードゴーイングスポーツ、それが新型BRZだと思えた。


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