ヤリスがN-BOXを引き離して圧巻の2連覇! 「トヨタ一強」が鮮明になった2021年の年間新車販売の中身 (2/2ページ)

トップ10に5台がランクインするトヨタの圧倒的な強さ

 ヤリスではガソリン車で6カ月、ハイブリッド車で5〜6カ月、ヤリスクロスはガソリン車で6〜7カ月、ハイブリッド車で7カ月以上の納期とされており、依然として深刻な納期遅延が続いている。そのなかで、現場で聞いたところでは、一般市販向けとは異なるレンタカーやカーシェアリングなどへのフリート販売向けの生産枠というものが存在するとのこと。現状を考えれば、予定どおりとはいっていないようで、定期的とも呼べない状況とする話もあるが、ヤリスの新車がメーカー系レンタカー会社に2021年末近くでも納車されている。

 トヨタに限らず、いまの全般的な納期遅延傾向下でも、フリート販売向け生産枠や新車ディーラーから売れ筋モデルを前もってストックしておきたいという「見込み発注」というものが、生産計画のなかには組み込まれている。そのため、一般向け販売においても、見込み発注車に購入希望モデルがあれば、比較的短い納期で新車を購入できるとされている。フリート販売でもヤリスが強みを見せたことが、「困難な年」であった2021年で販売トップ獲得を下支えしたともいえるだろう。

 年間販売台数トップ10をみると、10車中軽自動車が4台、そして登録車6台中トヨタ以外のメーカー車は1台、つまり、トヨタ車が10車中5台入っている。

 サプライチェーンの混乱により、生産遅延が起こったとしても、もともとの生産能力もあり、年間販売台数で締めてみると、結果的に「トヨタ一強」という状況が車名(通称名)別販売台数ランキングでも明らかなものとなっている。

 年末近くにようやく街なかで見始めることができたカローラクロス。本来ならカローラシリーズとして販売台数が合算され、ヤリスと年間販売台数トップ争いをしてもおかしくなかったのだが、納期遅延騒動に巻き込まれてしまい、2021年は残念な年となった。2022年は当分の間は納期遅延傾向が続きそうだが、2021年よりはカローラシリーズの販売台数にカローラクロスが貢献していくことになるだろうから、ヤリスにどこまで肉迫していくかも見ものとなるだろう。

 軽自動車では、一部改良を行ったN-BOXがどこまで安定して販売トップを維持していくかに注目したい。ホンダはもともと軽自動車のラインアップは少ないし、N-BOXが抜きんでて売れているので、N-BOXに生産を集中させやすい。一方で、スズキやダイハツはラインアップが多いので、なかなか1車種だけを集中して生産させていくということができない。軽自動車だけを見れば、いかに困難な状況が続こうが、N-BOXのトップはゆるぎないものとなりそうだし、ホンダとしては販売促進の面でも1位を死守しなければならないはずである。

2021年間販売台数ランキング トップ30

トヨタ ヤリス 21万2927台
ホンダ N-BOX 18万8940台
トヨタ ルーミー 13万4801台
スズキ スペーシア 12万8881台
ダイハツ タント 11万6912台
トヨタ カローラ 11万865台
ダイハツ ムーヴ 9万5840台
トヨタ アルファード 9万5049台
日産ノート 9万177台
スズキ ハスラー 8万2486台
トヨタ ライズ 8万1880台
トヨタ ハリアー 7万4575台
トヨタ アクア 7万2495台
トヨタ ヴォクシー 7万85台
ホンダ フリード 6万9577台
スズキ ワゴンR 6万8970台
ダイハツ ミラ 6万5803台
ダイハツ タフト 6万2278台
スズキ アルト 6万919台
日産セレナ 5万8954台
ホンダ フィット 5万8780台
トヨタ シエンタ 5万7802台
日産デイズ 5万3773台
ホンダ ヴェゼル 5万2699台
ホンダ N-WGN 5万728台
トヨタRAV4 4万9594台
トヨタ プリウス 4万9179台
スズキ ソリオ 4万4713台
トヨタ ノア 4万4211台
スズキ ジムニー 3万9422台


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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