新型ステップワゴンは300万円から! 値段で考えると「ほかの選択肢」は何がある? (2/2ページ)

輸入車のVWゴルフも購入することができる

 現在、ミニバンに乗っている人でも、すでに子離れしていて、家族は2~5人。惰性で「今度もミニバンにしようか」と、漫然と考えてはいないだろうか。確かにボックス型ミニバンの広大な室内空間、高く見晴らしのいい爽快視界は魅力的だが、3列目席などまず使わないような家族構成、使い勝手になっているとしたら、今、ミニバンに乗っているからといって、次もミニバンにする必要はまったくないと言っていい。

 そこでお薦めしたいホンダの300万円カーが、ホンダ内の真打ちとなり得るヴェゼルである。車格感、欧州プレミアムSUVに迫るスタイリッシュさ、そして走りの質感、快適感もバッチリなのである(走りの面では断然、4WD推奨)。しかも、ステップワゴン エアーの300万円という価格に合わせれば、なんとハイブリッド、e:HEVのお薦めグレード、Zの4WDがちょっと予算オーバーになるとはいえ、311.85万円だ。そろそろミニバンからSUVに乗り換えようかな? なんて思っているとしたら、じつにゴキゲンな乗り換えるべき1台となる。ちなみにZグレードの2WDなら289.85万円である。

 一方、3列シートは譲れないものの、ここでミニバン以外のクルマに乗り換えてみるのもいい……と思っているなら、いっそマツダのCX-8はどうだろう。大型SUVにして、3列目席は乗降性、居住性ともに下手な3列シートミニバンよりずっと快適だったりする。車格、ボディサイズも、Mクラスボックス型ミニバンからすれば、2クラス上。それで25Sというベースグレードなら、誰もがそんな価格だと思えない299.42万円なのである。スライドドアこそ備わらないものの、300万円で買える国産車のなかで、最高にリッチな気分になれて、エバリの効く1台となりうる。もっとも、4900mmの全長、1840mmの車幅が許せるのであれば、だけど。

 そのほかにも、2列シート、リヤヒンジ式ドアとなってしまうものの、300万円をキーワードとすれば、SUVのRAV4やハリアーのベースグレード、そして2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー インポートカー・オブ・ザ・イヤー受賞の世界のコンパクトカーの基準であり続ける最新のVWゴルフ8も予算内である。300万円のクルマ選び、視野を広げれば、なかなか面白く、悩めるではないか。

 もっとも、現時点で新型ステップワゴンの全貌は明かされていない。新型ステップワゴンを軸に新車の購入を検討しているなら、新型の全貌が明らかにされる春を待つべきだろう。あらゆるものの物価が高騰している今、新型ステップワゴンの300万円スタートという価格設定は、けっこうリーズナブルとも思えてくる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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