スーパーカーの運転は「意外とラク」! フェラーリ&ランボオーナーが語る例外的に「死ぬほど大変」な2台とは (2/2ページ)

本当にヤバいスーパーカーはクラッチが踏めない!?

 ただ、この5つの条件すべてに該当するモデルがひとつだけある。フェラーリF40だ。

 F40にはパワステがない。あるわけない。パワーウインドウもない。ヘタすると前後スライド式だ。クラッチは超重い。328は18kgだけど、たぶんその2倍以上(計ったことはありません)。つまり普通のクルマの3~4倍。固定されたフットレストにしか思えない……というのはよく聞く話だ。

 ブレーキサーボもない。ブレーキペダルも壁かと思ってしまう。そして最後の視界。前と横は割合よく見えるが、問題は後ろだ。リヤウィンドウは左右に分割されたスリット入りのポリカ製。中央にはスリットはないが、その部分が歪んでいてよく見えない!! これが大問題で、高速道路で真後ろのクルマがわからない。つまりパトカーが見分けられないのです。

 フェラーリのなかでは、F40が断然運転が大変だ。BBだってF40に比べたらとってもフレンドリーである。そのF40に対抗できるのは、ランボルギーニ・カウンタックだけだろう。私はカウンタックを2度購入しているので、割合よく知っている。

 カウンタックもパワステはない。車庫入れはとっても大変だ。パワーウインドウもLP400にはない。後期モデルにはついたけれど、ほんのちょっとしか開かない。クラッチ踏力は、自分のアニバーサリーで計測したところ30kgだった。328の18kgの2倍近い重さで、多くの方はフットレストと勘違いする。ただ、クラッチに関してはF40のほうがもっと重い(たぶん間違いなく)。

 カウンタックには、ブレーキサーボはある。この点でもF40の勝ちだ。しかし視界はとても悪い。とくに真後ろはまるで見えない……と言われているが、カウンタックの場合、リヤウインドウはガラスなので歪みはなく、真後ろはハッキリ見える。それより視界が狭いのは横だ。とにかく低くて狭いところに押し込まれた感覚で、車両感覚という言葉ともっとも遠い世界にある。ドアを開ければ左側は見えますが。

 ではトータルでは、どっちが大変なのか!? たぶん、F40だ。

 F40は、普通に前進させるだけなら、そんなに大変じゃないとも言えるが、やっぱり真後ろのクルマが何なのかわかんないのは本当にコワイ。クラッチの重さもたぶん世界一だし、雨の日はF1ドライバーでもスピンする(らしい)。カウンタックは、スピンの気配を感じたことは一度もない。そういう心配はあまりないので安心だ。

 つまり運転が大変なスーパーカーの第1位は、フェラーリF40。第2位はランボルギーニ・カウンタック。3位以下は遠く離れていて、よくわからない。

 最後に付け加えると、私は非常に体が弱く、体力も筋力もない。そんな私がF40やカウンタックを普通に転がしたり、サーキットを走ったりできた。つまり絶対的には、スーパーカーの運転はそんなに大変ではありません。ほとんど慣れの問題です!!


清水草一(永福ランプ) SHIMIZU SOUICHI

-

愛車
フェラーリ328 GTS/ランボルギーニ ・カウンタック アニバーサリー/BMW 320d(先代)/ダイハツ・ハイゼットトラックジャンボ(90年製)
趣味
原稿を書くこと
好きな有名人
斉藤由貴、菊池桃子

新着情報