「アイツのは中古だ」「安いモデルだ」スーパーカー社会のヒエラルキーは存在するのかフェラーリオーナーに聞いた (2/2ページ)

新車で買うことに意味がある! という層もいる

 ただ、伝え聞くところによると、最新のフェラーリだけに興味のあるフェラーリオーナーも一定数存在する。彼らは自分を飾る道具としてフェラーリを見ているケースもあり、とにかく最新モデルでないと「負け」になったりする。彼らの集まりでは、ひとつ旧型に乗って参加すると、「なんで買い換えないの?」と言われてしまうという。

 上へ上へと上昇志向のカタマリで人生を走ってきた成功者にとっては、最新のフェラーリに乗り続けることがライフスタイルだったりする。彼らは最新のフェラーリ以外には興味がなく、正規ディーラーから「〇〇様、次の限定モデルの枠が取れました。いかがでしょう?」と提案されることを至上の喜びとしている場合も多い。

 スーパーカーを手に入れるためにがむしゃらに働いて成功した生粋のクルマ好きにとっても、スーパーカーの新車の魔力は強烈で、「旧型のほうが楽しかったなぁ」「ターボはおもしろくないなぁ」と思ったとしても、最新モデルや限定モデル(=男の勲章)の呪縛から逃れられなくなるという。そして、仲間が旧型に乗ったままだと、条件反射的に「お金に困ってるのかな?」と考えてしまう。

 そんな彼らから見ると、クラシックまで行かない中途半端(?)な中古フェラーリのオーナーは、自分とはまったく別の人種なので、差別ではなく区別して考えることになる。自分とは無関係な人たちなのである。確かにスーパーカーは、男の買い物として頂点クラスの快楽がある。

 スーパーカーを買い続けていると、買うこと自体が目的になってくる。買った瞬間に醒めてしまうので、すぐに売ってしまう人も多い。スーパーカーはいろいろな意味で麻薬なのだ。


清水草一(永福ランプ) SHIMIZU SOUICHI

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愛車
フェラーリ328 GTS/ランボルギーニ ・カウンタック アニバーサリー/BMW 320d(先代)/ダイハツ・ハイゼットトラックジャンボ(90年製)
趣味
原稿を書くこと
好きな有名人
斉藤由貴、菊池桃子

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