もはや販売ランキングは「人気順」ではない! 5月の新車販売台数に見る「クルマが作れない」メーカーの苦悩 (2/2ページ)

納期が早いとされていたルーミーも改良を控えオーダーストップ

 軽自動車も含めた(含軽)ランキングでみると、トップはトヨタ・ヤリスで1万2400台となっている。トヨタ・カローラが2位に入っているが、これはカローラ クロスが大きく貢献しているといえよう。6位にホンダ・フリードが入っているが、これは改良を控えオーダーストップとなっているなか、在庫車を売りまくったことが大きい。

 ホンダは新型ステップワゴンが5月末に正式発表を控えており、フィットも改良によるオーダー調整が入っていたりしたので、満足に販売できる人気モデルはほぼフリードしかなかった。しかもライバルとなるトヨタ・シエンタもフルモデルチェンジを控えてオーダーストップとなっていたのだが、ディーラーによる現行モデル先行発注車両の生産がまだ完了しておらず、納車に時間がかかることもあり、シエンタを検討していたお客もフリードに流れたようである。

 いままでは2~3カ月あれば納車可能だったトヨタ・ルーミーが5位に入っている。しかしいまではすでに改良を控えてオーダーストップとなり、改良後モデルの納車が2022年10月以降まで伸びている。秋まではやや低空飛行気味に推移していくようである。

 ランキング上位に入っているモデルの多くが、法規対応のための改良を控えてオーダーストップとなっている。改良後モデルの新規受注分の納期は軒並み2022年末から2023年以降となっている。そのため、改良前モデルの未生産分の新規登録分が今後しばらくは販売台数としてカウントされていくので、停滞傾向が目立ちそうである。そのなかで3~4カ月で納車も可能といわれるノートやセレナなど、日産の人気モデルがランキングトップとなってもおかしくない、ランキングの激しい変動が今後しばらく続くかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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