日本への電撃再上陸で話題になった韓国のヒョンデ! 果たして成功しているのか? (2/2ページ)

ヒョンデの狙いは「ライフスタイルの変化の提案」

 ヒョンデは欧州市場でもグローバルモデルを戦略に導入してきており、その中で欧州向けEVの開発も強化している。

 また、ヒョンデにとって販売台数では重要市場だといえる、アメリカや中国でも、それぞれの国策によって状況は違うとはいえ、EVシフトが進んでおり、ヒョンデとしても対応策を急いでいる。

 こうしたグローバルでのEVシフトのなかで、日本市場のEVシフトのスピードや、未だに緩やかだと言わざるを得ない。

 そのうえで、ヒョンデは日本市場において、単なるEVシフトとか、またCASE全体に関する技術的な競争という観点で、日本メーカーや欧州ブランド、さらにはEV先駆者のテスラと真正面から勝負を挑もうとはしていない。

 時代変化のきっかけとしては、確かにCASEであり、EVシフトであるのだが、ヒョンデの狙いは「ライフスタイルの変化の提案」にある。

 そのため、ヒョンデとしては、IONIQ5を中核とした新しいブランド価値を日本に徐々に浸透させることを重要視している。

 具体的には、JR原宿駅前に期間限定の体験型ショップを設けたり、今後は横浜にリアル体験ができる施設の運用が始まる。

 ネット上での販売はすでに始まっているが、現時点で詳細データは公表されていない。ただし、DeNAのカーシェアであるエニカを通じて、IONIQ5に関心のある多くのユーザー、または自動車業界関係者らがヒョンデの商品力とブランド力を体感しており、そうしたアーリーアダプターから、ヒョンデブランドの世界観が徐々に広まり始める可能性は十分にある。

 ヒョンデが日本市場でどのように受け入れられるのか? その動向を精査するには、もう少し時間が必要だと思う。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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