元祖「オラオラ顔」が涙の終了! ギラついたメッキグリルでお馴染みオーテック「ライダーシリーズ」の偉業に敬礼 (2/2ページ)

オーテックは2018年に大きな転換期を迎えた

定番のカスタムグレードを作り上げた功績

 そのライダーシリーズが転機を迎えたのは、2018年にオーテックジャパンが打ち出した「AUTECH」ブランドの創設です。それまでのカスタムカー作りで獲得したクラフトマンシップを生かし、新プレミアムスポーティブランドと位置づけたAUTECHは、ピュアスポーツを志向する「NISMO」ブランドとともに、日産のラインアップを支える2本柱に「整理」されたのです。

 新ブランド第1弾として同年に登場した「セレナ AUTECH」は、イメージカラーの「AUTECH BLUE」をボディ内外に施し、上質感を打ち出す細かなドット模様のグリルなどにより、新しいオーテックの価値観を打ち出しました。この時点でライダーシリーズはデイズなど6車種が販売されていましたが、セレナから順次生産を終了させ、主役の座を受け渡す格好となります。

 また、ライダーシリーズの終了は軽自動車やミニバンのカスタムグレードの普及も大きな理由です。メーカー自身が直接メッキグリルのカスタムバージョンをカタログモデルとすることで、ライダーとの商品企画が被りつつあったのです。つまり、あえてオーテックが担当する理由がなくなってきたとも言えるでしょう。

 今年4月には、オーテックジャパンとニスモが経営統合して新会社を立ち上げたことも手伝い、今後、新ブランドであるAUTECHは「プレミアム」という新しい表現をより明快に展開します。しかし、それでもライダーシリーズが現在のカスタムグレードの普及に果たした役割は非常に大きかったと言えるでしょう。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
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筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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