もはや性別は関係なしの時代へ! モータースポーツの歴史に名を残した5人の女性ドライバー (2/2ページ)

井原慶子さんは日産の社外取締役に!

 3人目は、日本で経験を積んだ後、世界のモータースポーツに挑んだ井原慶子さん。モデル、レースクイーンとしてモータースポーツの世界を知り、自分も走りたいとドライバーに転身。1999年のフェラーリ・チャレンジでデビューし、GT選手権でも2戦を闘っています。その後、日本を飛び出して2001年にフランスF3、2005年にイギリスF3に参戦し、2012年にはWEC(世界耐久選手権)に唯一の日本人女性としてシリーズ参戦。4度の入賞を果たし、日本人女性として初めて世界選手権ポイントを獲得しています。現在は自動車産業や自治体とともに、環境車のインフラ整備や女性が活躍しやすい環境づくりにも注力。日産自動車の社外取締役に就任したことでも注目を集めました。

 4人目は、過去にたった5人しかいないF1に参戦した女性ドライバーのうち、予選を通過し、決勝に進出したのはたった2人。そのうち、初めて女性として入賞を果たしたイタリア人女性ドライバーのレラ・ロンバルディさん。彼女は史上初の女性F1ドライバーとなった、マリア・テレーザ・フィリッピスさんに次ぐ史上2人目で、1974年にブラバムレーシングよりF1デビューを飾りました。翌年、マーチ・エンジニアリングに移籍して参戦したスペインGPにて、6位入賞。現在もF1史上、女性最高位として記録されています。

 ちなみにもっとも最近では、1992年にブラバムからジョバンナ・アマティさんという女性ドライバーがF1に参戦していますが、残念ながら決勝進出を果たすことはできませんでした。その後30年にわたり、F1ドライバーは男性のみ。この沈黙を打ち破る女性ドライバーの登場が期待されます。

 そこで5人目は、今現在もっとも日本人女性ドライバーとして、F1に近いと言われている、野田樹潤(Juju)さんです。なんといっても、彼女の父親は元F1ドライバーの野田秀樹さんというサラブレッド。まだ16歳ながら、2022年はF1のサポートレースであるWシリーズに最年少でシリーズ参戦中なのです。

 このWシリーズはまさに、将来的にF1を目指す世界各国のトップ女性ドライバーの登竜門ともいえるレースシリーズ。10月に鈴鹿で開催される日本GPにもやってくるため、Jujuさんの生の走りを見られるチャンスとして期待されています。また、Jujuさんの後援会である「Juju Supporters Club」の会長には、なんと三原じゅん子さんが就任。これは野田秀樹さんが現役時代に所属していたTOM’Sの同期というご縁もあったのだそう。モータースポーツの先鞭をつけてきた女性ドライバーたちの努力が、若い才能に引き継がれているような気がして、胸が熱くなりますね。

 ということで、世界で名を残した女性ドライバーたちに敬意を表し、世界トップを目指して現在進行形でがんばる女性ドライバーたちに、心からのエールを送りたいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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