ホンダのハイブリッド車を紹介! 中古車購入時の注意点も (2/2ページ)

スポーツモデルに5ナンバーのワゴンモデルも!

中古で購入可能なホンダのハイブリッド車

シャトル

 2022年11月にラインアップ落ちしたシャトル。数少ない国産ワゴンのなかでもさらに貴重な5ナンバーサイズだったことで、現在は廉価モデルのみが販売されているカローラ・フィールダーが唯一の国産5ナンバーワゴンとなりました。

 シャトルはフィットシャトルの後継モデルとして2015年にデビュー。パワーユニットは1.5リッター直4ガソリンと、1.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドが用意されました。

 シャトルの大きな特徴は、5ナンバーサイズにもかかわらず広大な室内空間を有していること。フィットゆずりのセンタータンクレイアウトを採用し、クラスを超えた居住性を実現しています。

 ラゲッジルームも570Lの大容量を誇りました。その広さはゴルフバッグを楽に4つ搭載できるほどで、ゴルフをされる方ならその広さは想像がつくでしょう。

オデッセイ

 2021年に生産終了となった5代目オデッセイ。4代目までのオデッセイより全高を高めたことなどで、実用性は大いに高められました。

 5代目は2016年にハイブリッド仕様を追加。モーターのみで走行する「EVドライブモード」、エンジンで発電した電力を使用しモーターで走行する「ハイブリッドドライブモード」、エンジンで前輪を駆動する「エンジンドライブモード」と3つのモードを備えています。

 ガソリンエンジン、ハイブリッド仕様ともにオデッセイの伝統とも言える走りの良さはミニバンにおいては際立っており、とくに専用サスペンションを装着するアブソルートは軽快感を味わうことができました。

NSX

 2022年10月に販売を終了した2代目NSX。バルブ経済に日本が沸いていた1989年に登場した初代の販売中止から約10年後となる2015年に、ハイブリッドユニットを搭載する新世代スポーツカーとして復活を果たしました。

 2代目のパワーユニットはミッドシップに配置した3.5リッターV6ツインターボと、3つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。

 エンジンの最高出力は507馬力、3つのモーターを合わせた出力が122馬力とスーパースポーツカーらしいパワフルなパワーユニットを備えました。

 また左右前輪に配されたモーターが独立して自在に駆動する「SH-AWD」により、爆発的な速さと優れた旋回性を実現しています。

 2代目は2021年に出力を増しより加速性能を向上させたタイプSを発表。国内では30台限定の販売となり、このモデルが2代目の最終モデルとなりました。

グレイス

 3代目フィットをベースに開発されたコンパクトセダンのグレイス。ユーティリティ性能が高いフィットをベースに仕立てているため、グレースの居住スペースもゆとりある空間を実現。4.5mを切る全長しかないセダンとは思えないほどの広さです。

 デビュー時は1.5リッター+モーターのハイブリッド仕様のみが用意されていましたが、デビューから1年後には1.5リッター直4ガソリン車を追加。

 搭載されていたハイブリッドは「i-DCD」と呼ばれる電気モーターを内蔵したデュアルクラッチトランスミッションを備えるシステムで、燃費性能はもちろん優れた走行性能を両立することを目的に開発されました。

 2017年のマイナーチェンジで先進運転支援システム「ホンダ・センシング」を装備するなど改良が進められましたが、2020年に販売終了。グレイスの名も消滅しました。

CR-Z

 2010年に新世代のコンパクトスポーツカーとしてデビューしたCR-Z。

 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなどエコとスポーツカーを両立したことで話題を集めましたが、販売的には失敗。モデルチェンジは行われず、1代でブランドが消滅してしまいました。

 CR-Zに搭載されたパワーユニットは1.5リッターエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドユニット。低燃費を実現しつつ、2リッター車並みの加速を実現したこのユニットは、スポーツカーらしい走行性能を可能としています。

 モーターに組み合わされるエンジンはLEA-MF6型1.5リッター直4。インサイト搭載の1.3リッターエンジンからストロークを延長して排気量を拡大したほか、SOHCのまま4バルブ化。最高出力84馬力(CVT仕様は83馬力)を実現しました。

レジェンド

 1985年に登場した初代以降、ホンダのフラッグシップセダンの座を務めていたレジェンド。

 2022年に国内販売が終了しました。

 最近まで販売されていたレジェンドは5代目となるモデルで、最大の特徴は2代目NSXと同じハイブリッド・AWDシステムを搭載していたことでしょう。

「スポーツ・ハイブリッド SH-AWD」と称されたハイブリッドシステムは、3.5リッターV6エンジンとCVTに内蔵されたモーター、そして後輪を駆動する2つのモーターで構成。システム最大出力は382馬力を誇ります。

 また先進支援運転技術「ホンダ・センシング」や、各種快適装備も満載。ホンダのフラッグシップセダンにふさわしい内容を備えていました。

クラリティPHEV

 FCV(燃料電池車)のフューエル セルとともに販売されていたのが、プラグインハイブリッド(PHEV)仕様のクラリティ。

 1.5リッターエンジン+モーターのパワーユニットを搭載し、2018年に国内での販売を開始しました。燃費は28.0km/L、EV走行は114.6km(ともにJC08モード)と実用性も十分。EV走行距離ではプリウスPHVの68.2km(JC08モード)を大きく上回っていました。

 また床下に搭載したバッテリーの配置を工夫したことで、後席足元の広さを確保。シート表皮にプライムスムースを仕様したことなどで上質さと機能性を両立しています。

 すでにクラリティは両タイプともに2021年に生産終了。PHEVの販売年数はわずか3年と短命に終わりました。

編集部おすすめのホンダのハイブリッド車はインサイトとシャトル

 いままで紹介したハイブリッド車のなかでおすすめしたいのは、特に個性的な2台。

 まず紹介文でも触れたようにホンダ車のなかでもとくにスタイリッシュな外観を備えるインサイト。実用性も十分で、なにより大人が似合うセダンとして、その佇まいには魅力を感じます。

 もう1台は11月に販売が終了したシャトル。貴重な5ナンバーステーションワゴンだということに加え、ユーティリティ性能の高さは他に類を見ないほど。実用性が高いことが大きな魅力です。

 趣味性という面ではやや魅力が劣りますが、利便性を重視するならシャトルはいまでも国産車随一の実力を誇ります。

ハイブリッドの中古車選びの注意点

バッテリーの劣化に注意

 中古車の購入を考える場合、気になるのが走行距離。当然、ハイブリッド車の場合も年式が同じであれば走行距離が短いほうを選びたくなりますが極端な低走行距離の車両は要注意。

 ハイブリッド車に搭載されている駆動用バッテリーは長期間乗らない状態が続くと自然放電が発生。性能が著しく劣化している場合があります。

 バッテリーの状態を走行距離で判断することは難しいのですが、バッテリー交換済みの車両を探す、購入前にバッテリーの状態をチェックしてくれる店舗で購入する、または車両に備わる燃費計をチェックしその記録を元に燃費が悪化していないかを確認する、などによりバッテリーの状態を事前確認のうえ購入しましょう。

リコール対策済みかを確認

 また、先代フィットやヴェゼルのハイブリッド仕様を中古で買おうと思っている場合は、リコール対策済みかどうかを確認する必要があります。

 先代フィットおよびヴェゼルのハイブリッド仕様は度重なるリコールが発生。デュアルクラッチトランスミッションやECUの制御プログラムなど、異なる原因で複数回のリコール対応が行われています。

 購入前、これらのリコールがすべて対応されているかどうかを記録簿や販売店を通して確認しましょう。

まとめ

 シビックタイプRと軽自動車を除けば、すべての車種にハイブリッド仕様を用意しているホンダ。ハイブリッド車のフルラインアップを構築しつつありますが、システム自体もトヨタのTHSや日産のe-POWERとは異なる興味深いユニットです。

 e:HEVがどのように進化するのか、また軽自動車にハイブリッドが搭載されるのかなど、ホンダのハイブリッド戦略が今後どうなるのか楽しみです。


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