日産独自の電動化技術「e-POWER」! システムと搭載車両について解説 (2/2ページ)
e-POWERを搭載する5車種を紹介
ノート
ボディサイズ:全長4045mm×全幅1695mm×全高1505〜1520mm、ホイールベース2580mm
価格:203万3900円〜283万4700円
燃費(WTLCモード):23.8〜28.4km/L
e-POWERを初めて搭載した2代目リーフの後を受け、3代目となる現行モデルがデビューしたのが2020年。先代モデルは2018年に登録車販売台数1位に輝くほど大ヒット。当然、現行モデルにもe-POWERが搭載され、パワーユニットはガソリンエンジン仕様が廃止されたことで1種類となりました。
ただし先代モデルに搭載されていたe-POWERそのままではなく、第2世代へと進化。1.2リッター発電用エンジン+モーターはそのままですが、モーターとインバーターを変更。パワーとトルクをそれぞれアップしました。
またインバーターを小型&軽量化したこと、新型触媒の採用を行ったことなどで燃費効率も向上。FF仕様は28.4km/L(WLTCモード)を誇ります。
しかも発電用エンジンの制御などを工夫したことで振動が抑えられ、静粛性が向上。発電時でさえエンジンがかかっているかがわからないほど静かになったのは、現行モデルの大きな特徴といえるでしょう。
現行モデルのエクステリアデザインは日産の新世代デザイン言語「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」に基づく新たなスタイルを採用。シンプルではあるものの、日本の普遍的な美意識を備えたデザインとなっています。
また全長やホイールベースは先代より縮小したにもかかわらず、後席の広さはクラストップクラスのゆとりを備えているのも人気の理由といえるでしょう。
e-POWERのみとなった現行モデルは先代に引き続き大ヒット。2022年の8月、9月は登録車の国内新車販売首位となっています。
ノートオーラ
ボディサイズ:全長4045mm×全幅1735mm×全高1525mm、ホイールベース2580mm
価格:265万4300円〜299万6400円
燃費(WTLCモード):22.7〜27.2km/L
ノートファミリーに加わったノートオーラ。ノートをベースにボディを拡大し、パワーユニットのパワーやトルクを引き上げ装備や加飾をグレードアップしたプレミアムコンパクトカーに位置づけられています。
ノートと同じくパワーユニットはe-POWERのみとなり、発電用1.2リッターエンジンとモーターを組み合わせるところも同様。ただし、バッテリーの出力を高めたことで最高出力が18%(136馬力)、最大トルクは7%(30.6kgm)アップしました。
e-POWERの出力がノートより高められたことで、タイヤサイズを拡大(※185/60R/16から205/50/R17)。サスペンションも微調整が加えられています。
その他、ノートと変更されたのが全幅。5ナンバーサイズに収められたノートとは違い、ノートオーラは3ナンバーサイズの1735mmに拡大されました。
また専用のフロントマスクを採用したことやツイード調&合皮や本革シート、ウッド調パネルの装備、12.3インチTFTメーターを採用するなどノートよりプレミアム感を高めているところも違いです。
ノートと比べ60万円以上高くなっていますが、同クラスの輸入車をライバルとしたノートオーラは国産車において強い個性を放っています。
セレナ
ボディサイズ:全長4685〜4770mm×全幅1695〜1740mm×全高1865mm、ホイールベース2860mm
価格:265万4300円〜299万6400円
燃費(WTLCモード):17.2〜18km/L
間もなく6代目となる新型が登場すると噂されるセレナ。現在販売されている現行型にはe-POWER搭載車のみが販売されています。
現行型に搭載されているe-POWERは、先代ノートに搭載されていたユニットをベースに、ボディが重いセレナに合わせ改良。パワーとトルクを向上させました。
具体的な変更点は発電用エンジンの出力をアップさせ、モーターの出力を向上。エンジン、バッテリー、インバーターなど各種パーツをブラッシュアップしたことで可能としたのです。またオイルクーラーも追加し、熱処理を効率よく処理する工夫がなされました。
ただ、セレナのデビュー時はe-POWERでなく、発電機をアシストモーターとしても使用するスマートハイブリッドも用意されていました。
アシスト専用のモーターやバッテリーは搭載していないものの、安価に搭載できるユニットとして4代目から搭載されていましたが現在、搭載モデルはラインアップ落ち。6代目となる次期モデルにも用意されない見込みです。
キックス
ボディサイズ:全長4290mm×全幅1760mm×全高1605mm、ホイールベース2620mm
価格:279万8400円〜344万8500円
燃費(WTLCモード):19.2〜23km/L
2020年にニューモデルとして国内投入されたキックスですが、海外では2016年から販売されており、国内仕様はタイで生産され輸入されます。
南米を皮切りに北米、東南アジアと販売してきたキックスですが、海外モデルにあるエンジン搭載車は国内仕様に用意されずパワーユニットはe-POWERのみ。生産を担うタイでもe-POWER搭載車が販売されています。余談ですがキックスという車名は以前、三菱からOEM共有でパジェロミニに付けられていました。
デビュー時のキックスに搭載されたe-POWERは先代ノートやセレナに搭載されたユニットをベースに改良。先代ノートのe-POWERと比べエンジンの発電出力やバッテリーの出力を高めたことで、モーターの最高出力と最大トルクをともに向上。また発電のタイミングなどを制御システムも見直し燃費も向上しました。
e-POWERについては2022年のマイナーチェンジで現行ノートやノートオーラに搭載される第2世代のシステムへ変更。合わせてデビューからFFのみだった駆動方式でしたが、4WD仕様が設定されています。また先進安全装備も強化するなどキックスはマイナーチェンジで大きく進化しました。
エクストレイル
ボディサイズ:全長4660mm×全幅1840mm×全高1720mm、ホイールベース2705mm
価格:319万8800円〜504万6800円
燃費(WTLCモード): 18.4〜19.7km/L
2022年7月20日、4代目となるエクストレイルがフルモデルチェンジで登場。二段ヘッドランプなど先代より個性的なスタイルを身に着けつつ、歴代モデルが継承してきた「タフギア」の要素を更に進化させてデビューしました。
5名乗りとともに3列シートを備えた7名乗りを用意したことも先代同様。ただし、先代までに用意されたガソリンエンジン仕様はなく、パワーユニットはe-POWERのみをラインアップしています。
そのe-POWERで注目したいのが発電用エンジン。モータと組み合わせるのは可変圧縮機構を備えたKR15DDT型1.5リッター直列3気筒ターボエンジンで、ノートやマイナーチェンジされたキックスに搭載する1.2リッターエンジンとは異なるユニット。このエンジンは国内向けモデルに初めて搭載されました。
低負荷運転時と加速時などパワーが必要なときに圧縮比を変える可変圧縮ターボを備えたことで、燃費とパワーの両立を実現。ノートオーラに搭載されているHR12DE型1.2リッター直列3気筒エンジンの最高出力が82馬力なのに対して、エクストレイルのエンジンは142馬力。パワーの差が大きいことがわかります。
また4WDシステムは後輪を独立したモータで駆動するe-4OECE(イーフォース)を採用。前後輪に搭載されたモーターは独立で制御できるため、駆動配分は100:0〜0:100まで自在に調整可能です。またこのシステムは、後輪の駆動と内輪の制御で旋回を支援することができる特性も備えました。
日産自慢のプロパイロットもXグレード以上には標準装備。上級グレードにはアクセルやブレーキ、ハンドルの切替なども自動化されたプロパイロットパーキングも備わっています。
その他、コネクティッド機能なども進化したエクストレイル。最新のSUVとして大いに人気を集めそうです。
まとめ
いまやプロパイロットとともに日産の技術的アイコンとなったe-POWER。システム自体も進化し続けており、近々登場するセレナには1.4リッターエンジンとモーターが組み合わされるとも言われています。
今後、e-POWERや同システムの搭載車がどのように進化していくかに注目しましょう。
編集部が選ぶ!
あなたにおすすめの記事
-
【PR】【2024年10月】車一括査定を利用するならどこがおすすめ?ランキング形式で紹介
-
「SUVはタフなガソリンでしょ」は間違い! じつはハイブリッドやEVがSUV向きなワケ
-
「売れる」廉価なガソリン車は出さない! 新型ノートが割高でもe-POWERのみという「熱い」心意気を見せるワケ
-
MT乗りが「どハマリ」する2ペダル! 日産「e-POWER」の「エコ関係なし」の面白さとは
-
いまどき流行の「ワンペダルドライブ」! 結構違う「トヨタ快適ペダル」「日産e-Pedal」「ホンダ・シングルペダル」の3つを比較した
-
同じクルマとは思えないほどの違和感! ハイブリッド車に初めて乗る人が知っておくべき注意点5つ