アウディのコンパクトクーペ! 「TT」と「TTS」の違いや歴代モデルを徹底解説 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■コンパクトクーペモデルのアウディTTとTTSの違いを解説

■TTは英・マン島で開かれていた「ツーリスト・トロフィー」に由来

■TTSはとくに走りを重視するユーザーから注目を集めたモデル

現行限りで消滅するアウディの2ドアコンパクトクーペモデル

アウディTTSとTTの違いとは?デザインや性能を比較

 現行型でシリーズ廃止がアナウンスされたアウディTT。初代から高い人気を誇っており、モデル廃止を惜しむ声も多く聞こえてきます。

 そんなTTは現在、TTクーペ2グレードとTTSクーペをラインアップ。今回はTTシリーズのハイパフォーマンスモデル、TTSを詳しく解説していきましょう。

アウディTTシリーズとは?

 現行モデルが3代目となるアウディTTとはアウディA3(フォルクスワーゲン・ゴルフ)のプラットフォームを使用したFF、もしくは4WDを備えるコンパクトスポーツカー。1998年に初代がデビューし、大きな人気を集めてきました。

 2代目からフルモデルチェンジされて登場した現行モデルは2015年に国内販売を開始。

 デビュー時はTTクーペ、TTロードスター、TTSクーペの3タイプがラインアップされました。

 ルーフからなだらかにつながるキャビンとCピラーなど、歴代モデルと同様の“らしい”フォルムを採用した3代目は、新たに洗練さも備えつつ垢抜けたデザインを採用。インテリアもスポーティな雰囲気を備えつつ、タービンをモチーフにしたエアコン吹出し口など、モダンで上質なデザイン性にもこだわっています。

 現行モデルの基本メカニズムはアウディA3を流用。MQBプラットフォームを採用したことやシャシーの大部分をアルミにしたことで、先代より50kgほど軽量化されているのが特徴です。

 ボディタイプは4シーターのクーペと2シーターオープンのロードスターを用意していました。ただし、TTシリーズで人気があったロードスターは2020年に生産終了。現在はクーペのみがラインアップされています。

 4シーターとなるクーペの後席も大人が乗るには狭いため、実質2人乗りといえるでしょう。

 パワーユニットは当初、クーペのFF仕様には最高出力180馬力の1.8リッター直4を搭載していましたが2019年に廃止。現在はすべてのモデルが2リッター直4エンジンとなっています。

 ただし、2020年に国内導入されたTTSをベースにさらなる性能向上を図ったハイパフォーマンスモデルTT RSには、2.5リッター直5エンジンを搭載していました。

 最高出力400馬力を発揮する高性能ユニットを身につけたTT RSは、0-100km/h加速3.7秒とすさまじい加速を発揮。現在はすでに販売されていませんが、TTシリーズの頂点を担うモデルとして圧倒的なパフォーマンスを備えていました。

 現行モデルはデビュー後、特別仕様車や限定モデルを発売していき2019年にマイナーチェンジを実施。フロントグリルなどのデザインが変更されたほか、パワーユニットの変更などが行われています。

 2022年11月現在、TTシリーズはFFのTTクーペ40、クワトロのTTクーペ45、ハイパフォーマンス仕様のTTSクーペをラインアップ。価格はTTクーペ40が518万円、TTクーペ45が649万円、TTSクーペが872万円となります。

アウディの人気シリーズ

 高い人気を誇ってきたTTシリーズ。初代から続いてきた歴代モデルを紹介していきましょう。

初代(1998〜2006年)

ボディサイズ:全長4041mm×全幅1764mm×全高1346mm

 キャビンやフェンダー、はたまたインテリアなど円をモチーフにしたデザインが大きな話題となった初代TTは1998年にデビュー。車名の「TT」は英・マン島で開かれていた「ツーリスト・トロフィー」に由来しています。

 アウディA3のプラットフォームをベースに開発された初代は、FFと4WDのクワトロを用意。パワーユニットは1.8リッター直4エンジンを中心に、ハイパフォーマンスモデル「Sライン」には、3.2リッターV6エンジンが搭載されました。

 ボディタイプは3ドアハッチバッククーペと、2000年に追加されたロードスターをラインアップ。ロードスターには電動ソフトトップが装備されています。

 エクステリアデザインが大きな特徴となるTTですが、インテリアデザインも野球のグローブをモチーフにしたシートやアルミを多様。上質に仕立てた内装パーツなど数々の特徴を備えていました。

2代目(2006〜2015年)

ボディサイズ:全長4178mm×全幅1842mm×全高1352mm

 Aピラーを前進させたキャビンフォワードのフォルムはそのままに、当時アウディが進めていたシングルフレームのグリルを備えた2代目は2006年に登場。初代のエッセンスは残しつつ、新たなスタイリングを身にまとったエクステリアデザインは、ファンの間で賛否が別れました。

 ボディタイプは初代同様、3ドアハッチバッククーペと2シーターオープンのロードスターを用意。アルミとスチールのハイブリッド構造を採用したことで、初代と比べて大きな軽量化を実現しています。

 2代目の大きなトピックスは、今回のテーマとなるTTSが用意されたこと。最高出力272馬力を発揮する2リッター直4ターボエンジンを搭載し、電子制御ダンパー「マグネティックライド」を装備したTTSは、とくに走りを重視するユーザーから注目を集めました。

 また2代目にもさらなるパフォーマンスを備えたTT RSクーペもラインアップ。2.5リッター直5ターボエンジンが強烈な加速を楽しませてくれました。

TTシリーズは現行モデルで終了

 2020年の年例ミーティングで次期TTはないことを発表したアウディ。残念なことにTTは3代目が最終モデルとなります。

 初代から高い人気を集めたTTシリーズでしたが、世界的なクーペ離れの影響を受けて販売が低迷。ついにブランドが終了を迎えることになりました。

 TTシリーズに代わるモデルとしてEVスポーツカーの登場も噂されていますが、現時点で登場するかどうかは不明。TTの販売終了後はコンパクトクーペがアウディのラインアップから消えることになります。


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