成功続きにみえるトヨタにも苦労はある! 売れてなくても「存続必須」なクルマ3台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■基本的に人気がなくなった車種は廃止される

■しかし伝統を守るためなどの理由で、売れていないのに残されるクルマもある

■今回はそんな“後に引けなくなったモデル”を紹介

多くの車種にHVが用意されるとプリウスの人気が低迷

 売れ行きが下がり、もはや廃止か? と思われた車種が、フルモデルチェンジで存続することもある。直近ではトヨタ・プリウスだ。

 2009年に登場した3代目プリウスは、2010年に1カ月平均で約2万6000台を登録した(2代目の継続生産型も含む)。しかし4代目の従来型は、2015年に発売されて、2016年の1カ月平均登録台数は約2万台に留まった。2019年はコロナ禍前であったが約1万台に減り、直近の2021年は約4000台だ。つまりプリウスの売れ行きは、2010年のわずか15%に留まった。

 ここまでプリウスが減った一番の理由は、トヨタの大半の車種にハイブリッドが行き渡ったからだ。3代目プリウスが発売された2009年頃は、トヨタのハイブリッドは、SAI/エスティマ/ハリアー/クラウンハイブリッド程度であった。

 ところがその後、5ナンバーサイズのハイブリッド専用車としてアクアが加わり、そのほかにもコンパクトカーのヤリス(旧ヴィッツ)、ミニバンならノア&ヴォクシーやシエンタ、SUVのヤリスクロスやカローラクロス、ワゴンのカローラツーリングなど、いろいろな売れ筋のトヨタ車にハイブリッドが設定された。

 そうなると、もはやプリウスを選ぶ必要性は薄れた。運転しやすいハイブリッドが欲しいならアクアやヤリス、快適な居住性や広い荷室を求めるならノア&ヴォクシーやカローラクロスを選べば良い。プリウスの機能はほかの車種で補える。

 しかし初代プリウスは世界初の量産ハイブリッド車として1997年に発売され、25年を経過した今では、伝統あるハイブリッドとして認知度を高めた。廃止するのは惜しい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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