ハイブリッドと名乗っていても中身は千差万別だった! 正しく理解したい各社の違いをわかりやすく解説 (2/2ページ)

カタログのWLTCモード燃費もひとつの指標になる

 ところで、ホンダといえば7速DCTに駆動モーターを内蔵させた「i-DCD」というハイブリッドシステムも開発していたことがある。現在でもスズキが5速トランスミッションにモーターを内蔵させたハイブリッドシステムを用意している。また、かつて日産は縦置きハイブリッドとして、7速ATにモーターを内蔵させたシステムを用意していたこともある。

 こうした、マイルドハイブリッドと呼ぶには高出力なモーターを“ひとつ”だけ使ったハイブリッドシステムについて、メーカーによってはHEVよりの分類をしていることもある。海外ブランドのなかにはプラグイン機構を組み合わせて、ワンモーターHEVをPHEVへ発展させているケースもある。

 ただし、現在のHEVトレンドにおいてワンモーター型は少数派だ。モーター出力が十分にあり、バッテリー出力もそれなりに確保していればワンモーターHEVでもモーターだけのEV走行が可能ではあるが、最近のトレンドは2モータータイプだ。

 実際、トヨタ・ヤリス&アクア、ホンダ・フィット、日産ノートといったHEVのコンパクトカーは、どれも2モータータイプとなっている。ふたつのモーターは、ひとつが発電用、もうひとつが駆動用となっているのは各社で共通だ。

 ただし、メカニズムとしてはそれぞれ異なっている部分もある。日本ではポピュラーなトヨタ方式は、エンジン出力を発電用モーターと直接駆動に分割して利用できる構造としているのが特徴。モーターだけで走行できるときはエンジンを止めているが、基本的な考え方としてはエンジンの効率を追求したものだ。

 ホンダが「e:HEV」と呼ぶ方式も、エンジンが発電および駆動に利用されるという点では似ているが、駆動の基本はモーター。エンジンの駆動力がタイヤに伝わるのは高速巡行や急加速時だけとなっている。

 そして、日産が「e-POWER」と名付けたハイブリッドシステムは、エンジンは完全に発電に専念するというもの。駆動は100%モーターで行なっている。

 そうしたメカニズムの違いから生まれる特徴は、カタログに記載されているWLTCモード燃費における全体の数値と市街地・郊外・高速道路の各モードの数字の比率を計算すると理解しやすいということも覚えておくといいだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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