この記事をまとめると
■カワサキが海外で展開するオフロード四輪車を国内に導入
■日本ではあまり馴染みがないが海外では大人気カテゴリーのマシンとなっている
■「TWRYX KXR 1000」「TERYX4 S LE」」と「MULE」という3モデルを展開する
バイクメーカーが手がける話題のオフロード四輪に乗ってみた
オフロード四輪車と聞いて、どんな乗り物が頭に思い浮かぶだろうか。
おそらく大多数の読者諸兄は、ランドクルーザーやジムニーのようなクロカン4WDモデルを想像しているのではないかと思う。
恥ずかしながら筆者も同様で、カワサキモータースジャパンから届いた「オフロード四輪車『TWRYX/MULE』試乗会」の案内を見たときも、「カワサキが四輪乗用車に進出するのか!」と早合点してしまった。もちろん、そうした話であればもっと大きなニュースになっているわけで、ここでいうオフロード四輪車というのは公道走行を前提としていない、悪路走破性能の高い四輪車のことだ。
写真を見ていただければわかるように、そのスタイルは一般的なクロカン4WDはまったく異なっている。ロールケージがむき出しの外観はワイルドで、プリミティブ。とはいえ、ハンドルは丸く、シートを備えたコクピットは、たしかに四輪車であって、KAWASAKI(カワサキ)というブランドから想像するであろう二輪(バイク)とは完全に異なるものだ。この手のモビリティは、北米で人気が高く、「サイド・バイ・サイド」といったカテゴリー名称でまとめられている。
基本的には公道走行を考慮していないので、ウインカーなどの保安部品を持たない乗り物となっている。オフロードという表現には、悪路という意味と公道以外というダブルミーニングになっていると理解することもできる。
カワサキのオフロード四輪車となれば、バイクのエンジンを流用した乗り物を想像してしまうかもしれないが、それは間違い。フレームの設計思想はもちろんエンジンについても二輪とは別物で、オフロード四輪車専用設計となっている。なぜ、そこまでコストをかけて開発できるのかといえば、この手の乗り物は北米において数十万台規模の市場を持つ、人気のあるカテゴリーのモデルだからである。北米の荒野や森林でのレジャー用として、さらには農場などの働く現場を駆け回っているのがオフロード四輪車なのである。
そんなオフロード四輪車の試乗機会をメディア向けに用意した背景は、カワサキの乗り物を国内で販売しているカワサキモータースジャパンが正規販売することが決まったからである。正確にいえば、すでに日本で販売は始まっている。今回は、その全ラインアップに一気乗りできるという貴重な機会にもなった。
冒頭でも記したように、公道走行は不可という意味でのオフロード車であるから、試乗ステージはクローズドコースとなる。今回は、愛知県にある「さなげアドベンチャーフィールド」が、その舞台に選ばれた。クロカン4WDを趣味で走らせるようなアップダウンのあるハードなコースで、カワサキのオフロード四輪車はどのような走りをみせてくれるのだろうか。