5ドアのジムニー登場で欲しい欲しいのお祭り状態! 3ドアじゃ何がダメだったの? (2/2ページ)

ジムニーの価値が広がったといえる

 ホイールベースやボディを伸ばすということは、後席スペースやラゲッジスペースを大幅に拡大することが期待できる。インドの自動車市場は、今後ますます成長が期待できるが、やはりモータリゼーション普及期ということで広いキャビンの優先順位は高い。ジムニーといえども5ドアにしたファミリーカーにならざるを得ないということだ。

 日本でのジムニーというのはショートボディゆえの走破性が評価されている部分がある。キャラクターは異なるが、ユーザーマインドとしてはストイックなスポーツカーに近い。そうしたユーザーからすると5ドアボディというのは軟弱に感じるかもしれない。

 ロングホイールベースの5ドアになってもラダーフレーム構造を持つハードコアなクロカン4WDという素性の部分は不変であろう。後席が広くなったからといって、乗用車ベースのクロスオーバーSUVのような乗り心地に変身するとは考えづらい。

 ハードコアなクロカン4WDというのはジムニーが初代から磨き続けている価値ゆえに軟弱になるほうがジムニーらしからぬともいえる。もっとも現行ジムニーが日本でウケているのは、そのスタイリングが持つキュートさが、新しいユーザーを獲得したという面もある。

 5ドアジムニーがキュートなルックスという魅力を失っていないのは見てのとおり。5ドアジムニーが日本で発売されればヒットすること間違いなしといえるだろう。

 もし5ドアジムニーがヒットしたとしても3ドアのジムニーに価値がないというわけではない。あくまでジムニーの魅力が拡大するということと理解すべきだ。少なくとも日本においては5ドアが登場したとしても、本来的なクロカン4WDというジムニー伝統の価値が揺るぐことはない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報