中国で「クラウン」ファミリーが続々増加中! 専門ディーラーの誕生も噂されるほどの人気の理由は「富の象徴」だった (2/2ページ)

中国でのクラウンに対する注目度は日本以上

 日本でもクラウン・クロスオーバーの正式デビュー発表からしばらくの間は、クルマ好きの間ではクラウン・クロスオーバーの話で持ち切りだったが、中国でのクラウンに対する視線はそれ以上に熱いものを感じる。

 中国がいまのような経済大国になる源となったのが、改革開放経済。鄧小平氏の指導のもと始まった壮大な政策は、1990年代前半に加速を見せた。当時いち早く改革開放経済で経済特区に指定されるなど、その恩恵を受けるようになったのが広州市もある華南地域。改革開放経済で富を得た人が当時こぞって乗っていたのが、黒色のクラウン・セダンであった(いまでも広州市内などでは大切に乗っている人を見かけることがある)。その後沿岸部では広くクラウン・セダンの人気が高まったようで、古い世代ほど富や成功の象徴としてクラウンに憧れを抱いていると聞いたことがある。

※写真はイメージ

 それからしばらく経ち、2005年に12代目クラウン(ゼロクラウン)の中国での現地生産が始まると、一気に人気モデルとしてもてはやされるようになった。その人気をけん引したのが、前述した富の象徴であった。当時をリアルに知らない世代もインターネットなどで情報収集し、クラウンに特別な思いを寄せる中国の人はまだまだ多いようだ。

 そしていま、クラウン・ヴェルファイア、クラウン・クルーガー、クラウン・スポーツクロスまでクラウンシリーズのラインアップは増えた。セダンはすでに発売が予告されており、日本でもその存在だけが紹介されたエステートやスポーツも加われば、中国市場ではラインアップもかなり豊富となるので、別店舗を展開してもおかしくない話。ただクラウン・スポーツクロスにもトヨタバッジはついているので、レクサスのように完全にトヨタブランドから独立させるのではないと予想される。スズキがインドで展開しているように、アリーナ店のほかに、バレーノやイグニスなどの一部スズキブランド車を専売する上級店ネクサ店を展開するようなイメージのほうが、報道どおりクラウン店を展開するならば近いのではないかと考えられる。

 中国の人たちのクラウンに対する特別な思いを販売促進に有効利用するあたりは、中国でも販売のトヨタここにありといった印象を強く受けてしまうトピックである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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