改善に見える高速料金の深夜割引の見直し! 中身をよく見ると長距離ドライバーの「労働環境悪化」の可能性もあった!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■国土交通省は高速道路料金の深夜割引を見直すと発表

■深夜割引適用時間帯が22時から翌5時に拡大された

■しかし3割引の対象となるのは適用時間帯に走行した分のみ

新しい深夜割引はメリットだけじゃない!

 高速道路のヘビーユーザーであれば「深夜割引」を意識していることだろう。現在の深夜割引というのは、対象となる高速道路を、ETCを利用して、0時から4時までの間に走行していれば、通行料金が3割引になるというもの。

 深夜1時に高速に乗って、4時に降りた場合が対象となるのはもちろんのこと、前日の23時に高速に乗って、翌日の5時に降りたケースでも通行料は30%オフとなる。そのため深夜割引の対象となる時間帯の大半を、サービスエリアなどで停車して休憩をとっていても割引対象になってしまうという、ある種のバグがあった。

 昨今、サービスエリアやパーキングエリアの駐車スペースがいっぱいになっていて利用しづらいという声もあるが、こと真夜中の駐車場不足は深夜割引の影響が少なくないだろう。

 おそらく、そうした“バグ”があることは運用側も薄々気づいていたはずで、このたび高速道路の深夜割引が改正されることになった。公表されている見直し案の概要は以下のようになっている。

・深夜割引適用時間帯に走行した分のみ3割引

・深夜割引適用時間帯を22時から翌5時に拡大

・深夜割引の見直しにあわせて、400km超の長距離逓減制を拡充

 まさしく「飴と鞭」といえる内容だ。

 たしかに従来の0~4時という対象時間帯はあまりに短く、深夜割引を利用するための時間調整が生む違法な駐車などが社会問題となっていた。対象となる時間帯を4時間から7時間に増やしたというのは、まさしく改良といえよう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
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