バブル時代の「年中無休」はどこへやら! いま新車ディーラーに「完全週休2日制」の流れが加速しているワケ (2/2ページ)

コロナウイルス感染拡大の影響もあり連休化が加速

 土曜・日曜は稼ぎ時なので店は開けるが、たとえば月曜日と火曜日を完全定休日にするといった、ディーラー完全週休連休化が定着しようとしている。それまでは、前述したとおり、1日を完全定休日とし、ほかの1日を交代で休み店舗定休日をできるだけ少なくしていたのだが、昨今の働き手不足に加え、新型コロナウイルスの感染拡大がディーラーの完全週二日定休実施を加速させているようだ。

「いまや配属されるセールスマンは1店舗あたり5名、6名ぐらいです。そのメンバーで半休出勤にすると、2名体制ということも珍しくありません。ただ、新型コロナウイルス感染拡大により、セールスマン本人が陽性になったり、濃厚接触者として出勤できなくなるケースが多くなり、半数出勤日にセールスマンがひとりしかいないといったことが多発しました。メカニックも半数出勤となりますので、それでは店を開けていても、効率が悪いということになり、『それなら完全週二日定休にしよう』ということになったようです」

 ただ、土曜や日曜に受注した分について、車庫証明を最短で申請できるのが水曜日になってしまうので、実務面では結構弊害も出てきそうなのだが、幸いと言うか現状では納期遅延が深刻化しており、短期間で納車できる在庫車はわずかなので現状では実務面では大きな問題もあまりないようだが、点検・整備についてはよりタイトに作業をこなすことになりそうだ(ただ長い目で見ればBEV[バッテリー電気自動車]が増えれば、1台あたりにかかる作業時間は短くなるだろうから、これも問題はなくなるのだろうか)。

 板金修理も自動ブレーキの普及などで飛躍的に減ってきているとも聞いている(コンパクトカーあたりはクラッシャブルボディ設計により、全損扱いになることも多くなった。また車両保険では一定以上のダメージになると全損扱いになる付帯特約も普及してきている)。

 店舗稼働日数が少ないと、それは新車販売台数にモロに影響が出る。1月や8月の新車販売台数が少なめになるのも、年末・年始やお盆の長期休暇による稼働日数不足が影響していることは間違いない。

 ただ、セールスマンひとりだけで店を開けても、電話応対や点検に来た管理ユーザーへの対応に忙殺されるだけになってしまうので、これからは新車ディーラーの定休日が週2日になるのが当たり前になっていきそうである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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