ソルテラオーナー2人を直撃! SUBARUのガソリンモデルから乗り替えて使った本音を全部聞いてみた (1/2ページ)

従来のSUBARU車の感覚はそのままに新たなメリットも見えた

 SUBARU初のBEVとして注目を集めているソルテラ。先行予約で注文をした人のもとには納車が始まっている。今回は、従来型のSUBARU車からBEVソルテラに乗り換えたユーザーを取材し、カーライフの変化やソルテラならではのポイントについて話を聞いてみた。

 まずは、7年ほど愛用した先代モデルのアウトバックからソルテラに乗り換えたMさん。アウトバックを選んだ理由は、キャンプなどのアウトドア趣味を楽しむためもあるが、もっとも評価の高い運転支援システム・アイサイトの性能を是非とも試してみたかったのだという。Mさんは以前から先進的な機能を備えたクルマへの関心が強く、高度な運転支援システムやBEV、燃料電池車などにはずっと高い関心を抱いていたのだ。

 先代型アウトバックで味わったアイサイトの性能は、期待以上の出来だった。とくに全車速追従機能付クルーズコントロールの制御の高精度さに感動。さらに、走りの良さやユーテリティ性の高さなど、様々な場面でSUBARUのSUVの総合力の高さを実感したという。ちなみに、7年乗ったアウトバックは手放す際の残存価値の大きさ(リセール)にも驚いたとのこと。

 そんなSUBARUから初のBEVが出るのを知り、直ちに乗り換えを決意したのだった。Mさんは一軒家にお住まいで、太陽光発電パネルや、V2Hと呼ばれる家庭用蓄電器充電システムを自宅に備えているので、BEVのメリットをフルに活かせる環境を整えている。Mさんが選んだのは上級グレードのET-HS(AWD)。元々装備は充実しているので、ディーラーオプションもベースキットを選んだぐらいだが、納車されたときからすでに高い満足感が得られているという。

 まずは、自分のカーライフにおいて、CO2を一切排出していないことが、思いのほか楽しさや充実感に繋がっているらしい。クルマに乗るのは休日のレジャーのみなので、普段は蓄電池として運用。冬場は日照時間が短いうえ、太陽光の力もやや弱く、それほど発電できていないが、基本的に愛車を走らせるためのエネルギーは自宅での太陽光発電によるもの。BEVならではの強力なトルク感を存分に味わったとしても、環境への負荷をほとんどかけていないという実感が得られるので、そこにこれまでにはなかった新しい満足感があるのだという。

 厳密には、生産過程で生じる環境負荷はゼロではないのだろうが、少なくとも愛車を走らせてる刹那においては、ガソリン車で感じていた後ろめたさはまったくない。Mさんの年間走行距離は1万キロほどというから、BEVに乗るメリットはとても大きいようだ。

 クルマそのものについては、やはりBEVならではの出力特性で得られる感動が大きいとのこと。高速道路の料金所を過ぎた直後は、極めて安全、かつ合法的にBEVのフル加速が楽しめるひと時になるが、低速域からの加速の力強さは痛快の一言。

 さらに、ある程度高めの速度で巡航している状態からの追い越し加速も予想以上に活発なのにも驚いたという。排気量2.5リッターのアウトバックでもやや辛さを感じる上登り勾配での追い越しも、予想以上にラクに行えるので、結果として安全にも繋がっている。追い越しに要する時間が短くて済むのはありがたいものだ。

 また、水平対向エンジンを搭載するアウトバックとはまったく異なり、床下にバッテリーを積むことから得られる感覚とはいえ、「低重心」であるところにはこれまでのSUBARU車との共通点を感じるという。カーブなどでの安定感や、高速域でのフラつきの少なさなどに、低重心ならではのメリットを感じている様子だった。

 BEVの特徴でもある静かさについても、期待以上の感動が得られている。たとえば冬の朝イチの始動は、ガソリン車ならアイドリング回転数が高くなり、騒音も高くなるものだが、BEVはどんな気候で始動させても完全に無音。無音状態ではカーオーディオの聴こえ方が従来のガソリン車とはまったく異なるようで、Harman/Kardonオーディオの音質が満喫できる車内環境は、これ以上なく快適だという。

 BEVならではの静かさはキャンプ場でも威力を発揮。キャンプ場では夜9時を過ぎた時間帯になると、クルマのエンジンをかけることがためらわれるものだが、基本的に無音のBEVはそういう遠慮をしないで済む。キャンプ場で電装品を使ったり、ちょっとコンビニまで行ったりすることも躊躇なくできるのも便利だ。今後は、遠慮なく電気が使えるのが前提となり、キャンプ用具も変わってくるので、アウトドア趣味そのものの幅の広がりにワクワクしている様子だった。

 BEVのネックとなりがちな航続距離については、今のところ大きなネガにはなっていないとのこと。航続距離を伸ばしたい時はエアコンをOFFにして、ステアリングヒーターやシートヒーターで身体を温めれば、意外と無理なく過ごせるという。

 回生ブレーキを効かせる「S PEDAL DRIVE」については、アクセル操作に伴う車体の前後の動きの大きさに、ファン・トゥ・ドライブ性を損ねるとの意識があるというが、ワンペダル操作でもスムースさや楽しさを感じるにはどうすれば良いか模索することには面白さを感じているという。

 運転支援システムについては、全車速追従機能付クルーズコントロールの制御の自然さ、制御フィーリングの細かい部分ではアウトバック時代のアイサイトのほうがよかったと思う場面もあるようだが、慣れれば問題ない範囲だという。事故を回避、被害の低減の性能は同じレベルにあると思えるので、今のところ大きな不満にはなっていない。

 走りのクオリティにはSUBARU車らしさがしっかり感じられ、BEVならではのメリットは存分に味わえていることから、ソルテラがもたらす新しいカーライフの楽しさを満喫している様子だった。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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