もしも1970年代に新型プリウスがタイムワープしたらどうなる!? 「乗り込めない」「動かせない」けっこう大変なことになる (2/2ページ)

動かすこともできない!

 新型プリウスに乗り込んでもまた、ボクはオロオロするばかりだ。何しろ、ドアと同様に、クルマの鍵を差し込むスターターのシリンダーがない。探しても、探しても、ない。ハンドルのまわりをいじっているうちに、70年代も今も変わらない配置のウインカーレバーやワイパーレバーを不用意に動かしてしまう始末。

 フルデジタルメーター、インパネ中央の12.3型大型液晶モニターも初めて見ることになる。「まるでカラーテレビがふたつあるようなクルマだ!!」なんて感心している場合じゃない。とにかく今、急いでクルマを発進させなくてはならない、とある緊急事態に直面しているのだ(という妄想)。

 そこで新型プリウスを知る彼女が、あきれ返ったようにプッシュスターターボタンを押す。するとメーターやセンターディスプレーはキラキラと未来感たっぷりに点灯するのだが、プリウスはハイブリッド車だからこの時点でエンジンはかからない。「あちこち点灯はしたけれど、エンジンがかからない。壊れているのか、この未来からやってきたようなクルマは!!」と狼狽するばかりだ。

 現代からやってきた彼女に「これで走れるわよ」と言われたものの、今度は70年代のスティック式、レバー式のサイドブレーキが見当たらない。ここでまた、それを探してオロオロである。

 ふと、インパネ中央にあるカラーテレビのように大画面ディスプレーに目をやると、右下にマイクのようなアイコンがある。興味本位でそれを押してみると、隣に乗っている彼女とは別の女性の声が聞こえるではないか。「誰だ、どこで喋っているのか!?」と驚愕するボク。70年代のクルマにボイスコントロールなどあるはずもない。動かせないクルマに動揺を隠せず、思わず「動け!!」と叫んでしまうと、大画面ディスプレーの中にいる女性の声で「動いていますよ」(これ実際です)と言われる始末。

 隣にいる、未来からやってきた彼女は、もうあきれ果てて、クルマから降り、立ち去ってしまう……。70年代の男と、2023年に生きる女性との付き合いは、新型プリウスのドアを開けられない、新型プリウスを動かせないボクのふがいなさによって、終わってしまうのであった……。

 もし、70年代のボクが新型プリウスに接するとしたら、おそらくそんなことになっていたに違いないのである。えっ、文字だけだとあまりにも突飛な話なので、”入ってこない”?? ならば、このショートムービーをご覧ください。上記のストーリーそのもののショートムービーになっています。

  

 ちなみにこれ、2023年に誕生したクルマの映画祭「INTERNATIONAL AUTO FILM FESTA」の応募作品、新型プリウスを使った、ボクがプロデュース、主演!? のひとりを務める【シン・クルマ】〜1970年にやって来た、新しすぎたクルマVSカイジュウ・ダカオ〜です。

 ボクは70年代に生きる男。そして2020-2021、2021-2022年レースクイーン・オブ・ザ・イヤーに輝き、モデル、タレントとしても大活躍中の「近藤みやび」さんは2023年の未来から新型プリウスとともにやってきた現代の女性(彼女)という役柄、設定です。70年代のボクは70年代にはなかったリモコンキーによる新型プリウスのドアの開け方、プッシュボタン式のハイブリッド車のパワーONの仕方などさっぱり分かりません。

 銀座の街を破壊するカイジュウがボクたちの目の前に迫り、クルマを動かして逃げなくてはならないのに、アセってボンネットを開けたり、給油口を開けたり、挙句の果てにはワイパーを作動させたり……。

 プリウスの車内で「動け」と叫べば、ディスプレーが女性の声で「動いていますよ」と言われる始末。彼女の設定のみやびさんにあきれ返られ、立ち去られる……そんなストーリーのショートムービーです。果たしてプリウスの車内に残された70年代のボクの運命は……。

 面白いと思ったら、ぜひ拡散してくださいね。あっ、クルマの映画祭「INTERNATIONAL AUTO FILM FESTA」の受賞祈願も!! 授賞式は3月末とのことです。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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