カローラ王国の「タイのタクシー」に異変! いま「脱トヨタ」の動きが加速している理由 (2/2ページ)

タイ政府もBEV化を推進! トヨタはどう立ち向かう!?

 現地報道ではタイでライドシェアサービスの「GRAB(グラブ)」を運営する「グラブ・タイランド」が、中国・上海汽車系となるMGタイランドと提携し、グラブドライバー向けにMGのステーションワゴンタイプのBEV(バッテリー電気自動車)となる「EP」について、魅力的なローンプログラムで車両提供しているとのこと。

 タイ政府がBEVなどのZEV(ゼロエミッション車)導入に積極的なことや、BEVにすることで燃料費負担の軽減もはかれるのでドライバーメリットも高いとのことで導入されたようだ。もちろんMGとしてもフリート市場に食い込みたいという思惑もあるだろう。

 タクシー車両がカローラだらけとなっているなか、トヨタは今年3月末から4月上旬に開催された、第44回バンコク国際モーターショー会場内の自社ブースに、日本仕様のJPNタクシーをタイのタクシー風にアレンジしたコンセプトカーを出品し、会場内で大注目されていた。

 すでにバンコク市内を走るエアコン付き路線バスのほとんどが1年も経たない短期間でBEV車両に入れ替えられている。バンコクなど街の風景ともなっている3輪タクシー「トゥクトゥク」も2025年までに完全BEV化予定と政府は表明している。こうなるとタクシー車両も追って知るべし状態。

 現状ではタクシーがほぼほぼカローラだらけで、カローラフリークの筆者もじつに気持ちいいのだが、このカローラにとって「我が世の春」のような状態もいまのままでは、あっという間に変わる可能性も否定できない。HEV(ハイブリッド車)であるJPNタクシーをモーターショーで展示したトヨタも、そんなタイのタクシー事情の変化に敏感に反応した結果が今回のショー展示なのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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