ついに軽クロスオーバーそろい踏み! デリカミニ・スペーシアギア・タントファンクロスは「どれが買い」か徹底比較した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■三菱デリカミニが正式デビュー

■スーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデル3台が出揃った

■デリカミニ、スペーシアギア、タントファンクロスを徹底比較

軽クロスオーバーモデル3台を比較

 空前のアウトドアブームの今、ついに手軽にアウトドアを楽しめ、走破性にもこだわった三菱の軽クロスオーバーモデル、あのデリカの車名を引き継ぐ、ekクロススペースをベースに仕立てられたデリカミニが正式デビューした。これで、スーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデル、つまり、デリカミニ、スペーシアギア、タントファンクロスの3台が出揃ったことになる。

 ここではそんな3台の走行性能、パッケージを比較してみた。アウトドアに連れていくなら、悪路の走破性や荷物の積載性も気になるところ。

 まず、3車のルックスだが、顔つきはどれもワイルドで、アウトドアに似合いすぎるほど似合う、ゴツさあるデザインが与えられている。デリカミニはもちろん、兄貴のデリカD:5を思わせる、しかしどこか犬顔にも見えるデザイン。スペーシアギアは意外に下半身のドッシリ感が強調された、ギア感と安定感を強調した顔つき。タントファンクロスはワイルドさと下半身の力強さをアピールする面構えが頼もしい。

 そして大いに気になる走破性にかかわるスペックだが、その実態は”ミニバンの皮をかぶった本格SUV”であるデリカの車名が与えられたデリカミニはもちろん、NA、ターボエンジン、FFと4WDの駆動方式を用意するが、駆動方式の本命は受注比率約60%とも言われる4WDのほうだろう。何しろ、最低地上高はFFの155mmに対して160mmと5mmUP。デビュー前の期待値では180mmぐらいを予想していたので、ちょっと肩透かしをくらった感じだが、4WDは専用サスが奢られ、走破性にそこそここだわったデリカミニと表現することができそうだ(未試乗)。

 このカテゴリーの先駆者とも言えるスーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデルがスペーシアギア。エンジンはNA、ターボともにマイルドハイブリッドを採用し、駆動方式はFFと4WD。最低地上高は全車150mmと、標準スペーシアと同一。つまり、なんちゃってクロスオーバーモデルと言えるかも知れない。

 つい最近、クロスオーバーモデルのバリエーションが追加されたのが、ミラクルオープンドアでも有名なタントのファンクロス。NA、ターボエンジン、FF、4WDの用意があり、最低地上高は標準型タントでもFFの150mmに対して4WDは165mmと、元々、4WDには余裕ある最低地上高を与えていたモデルである。ファンクロスはタントのデザインをクロスオーバー風に仕立てたモデルゆえ、ファンクロスの最低地上高も標準車に準じたFF150mm、4WD165mmとなる。つまり、悪路、雪道の走破性にかかわる4WD基準での最低地上高の余裕ではタントファンクロス→デリカミニ→スペーシアギアの順になる。

 坂道に対応する機能では、デリカミニにはグリップコントロール、ヒルディセントコントロールが駆動方式にかかわらず用意され、滑りやすい路面の発進、急坂での車速制御(約4-20km/h)をコントロールしてくれるから安心である。このあたり、さすがデリカを名乗るだけのことはある。

 また、デリカミニはタイヤもFFと4WDではサイズが異なり、FFは155/65R14または165/55R15なのに対して、4WDは165/60R15サイズの大径タイヤが、4WD専用サスペンションとともに奢られているのである。ここまででも、デリカミニの本格さが伝わってくるではないか(スペーシアギアとタントファンクロスにはヒルホールド機能あり)。

 もちろん、3車ともに撥水シート生地が用意され、SURF & SNOWスポーツやアウトドアライフでの使いやすさは文句なし。さらに荷室の使い勝手を比較してみると、開口部地上高は全車590~620mmの範囲。世界のステーションワゴンの平均値が620mmだから、どれも重い荷物の出し入れ性に優れていると言っていい。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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