昼間は安く雨や金夜に料金が上がるタクシー料金制度! 国交省が導入方針を示した「ダイナミックプライシング」は問題点だらけ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■国土交通省はタクシーの運賃にダイナミックプライシングを導入する方針だという

■ダイナミックプライシングとは、価格を需要と供給の状況に合わせて変動させること

■乗務員の仕事が収入にしっかり反映されるかなど、現状いくつか懸念点がある

時間帯や天気などによってタクシーの運賃が変動

 本稿執筆段階で、2023年5月からとして、国土交通省がタクシー運賃においてダイナミックプライシングを導入する方針だという報道があった。ダイナミックプライシングとは、たとえばホテルにおいて閑散期と繁忙期で宿泊料金に差をつけるといった、需要に応じて料金が上下するものとなる。

 タクシーにおけるダイナミックプライシングの導入は、アプリ配車でなおかつ目的地を確定させて乗車させた場合に限ったものとなり、申請のあった事業者のみが対象となるようである。イメージとしては、昼間のタクシー需要の少ない時期は安くなり、雨天時や週末の夜などは需要が高まるので高くなるようである。通常運賃に比べて5割引きから5割増しの範囲で変動させる方向にあるようだ。

 気になるのが、法律などで明確な線引きが行われないことである。申請事業者に限り、その運用も申請事業者任せとなり、監督官庁である国土交通省は3カ月ごとの報告を事業者に求めるのみとなっている。

 なぜタクシーに料金メーターがついているのか、監督官庁はこの「一丁目一番地」を否定するかのような提案をいままでもよく行っていた。料金メーターは定期的な検査を受け、厳格に不正料金とならないように扱われており、乗客に対してだけでなく運転士に対しても客観的な事実に基づいた料金を保証している。筆者個人としては料金メーターに基づかない料金に関するサービスは、不透明性を高めるように感じている。とくに乗務員の営収(営業収入)に反映する時に、しっかりと乗務員の収入に反映されるかは甚だ疑問に感じている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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