免許を取ってまだ5カ月の18歳! 「初心者マーク付き」のマシンが全日本ラリーで大暴れしていた (2/2ページ)

レジェンドの奴田原氏も太鼓判!

 ヌタハララリスクールを主催し、全日本ラリー選手権でも木内の活動をサポートする“師匠”の奴田原は「小さい時からカートをやっていたから、クルマを操る能力は高かったですね。マニュアル車のシフトチェンジに最初は手こずっていたけれど、すぐに慣れると思う」と木内を評価。

 さらに奴田原は「日本では運転免許証をとってからラリーを始めるドライバーが多いから、なかなか若手ドライバーが活躍できないけれど、レーシングカートみたいにほかの競技でも運転免許証を取得する前から経験しておけば十分に活かせると思う。勝田貴元選手もカートやフォーミュラをやってからラリーを始めたけれど、経験を重ねることでラリーに対応した。ラリースクールに協力してもらっているTRDとしても若手ドライバーを育てたいという意向もあるので、今後は木内選手のようにカート出身の若手ドライバーも育てていきたい」とのことで、いわば木内がヌタハララリースクールの新しいモデルケースになっている。

 ちなみに奴田原をサポートするシートメーカーのレカロも若手育成を掲げているようで、木内をそのサポートドライバーとして抜擢。フルカラーのマシンを提供するなど、充実の体制となっている。

 もちろん、実戦のなかでドライバーの育成を図るヌタハララリースクールは、木内とコンビを組むコ・ドライバーにベテランを起用しており、第2戦の新城ラリーでは藤田めぐみ、第4戦の久万高原ラリーでは島津雅彦をラインアップ。いずれも全日本ラリー選手権でチャンピオン経験を持つだけに、ルーキードライバーにとっては充実した顔ぶれだと言えるだろう。

「1ループ目はギグシャクしていましたが、2ループ目からは抑えすぎることもなく、きちんとペースノートを聞きながら走れていました」と島津も語っているだけに、上位につけていたドライバーの脱落があったにせよ、木内の3位は賞賛に値する。

「新城ラリーの5位を上まわることができましたが、タイム的にはまだまだトップに大きく離されているので、今後もしっかり完走しながらギャップを詰めていきたいと思います」と語っているだけに、今後も若手の逸材として木内の動向に注目したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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