不人気だからって「ハナから選外」はちょっと待て! 売れないけど完成度は間違いナシの各ジャンル「穴場」クルマ4選 (2/2ページ)

人気はないがコストパフォーマンスは優秀

SUV/スズキ・イグニス(2022年の1カ月平均販売台数:約170台)

 イグニスは、ソリオとプラットフォームを共通化したSUVとコンパクトカーの中間的な車種だ。全長は3700mmと短く、最小回転半径も4.7mだから、混雑した街なかでも運転しやすい。最低地上高(路面とボディのもっとも低い部分との間隔)には180mmの余裕があり、悪路のデコボコも乗り越えやすい。

 ただし、全高が1660〜1690mmだから、立体駐車場の利用性は良くない。クルマの特徴もわかりにくく販売は低迷するが、適度に機敏な運転感覚は、欧州のベーシックなコンパクトカーを連想させる。後ろ姿には視覚的な安定感もあり、求めやすい価格で個性的なクルマが手に入ると言えよう。

セダン/ホンダ・インサイト(2022年の1カ月平均販売台数:約190台)

 インサイトはホンダのハイブリッド専用車だ。3代目は2018年に発売され、2022年の末に販売を終えた。セダンボディに直列4気筒1.5リッターエンジンをベースにしたe:HEVを搭載する。2022年の1カ月平均販売台数は、約190台と少なかった。

 しかし、商品力は高い。内外装は上質で、居住性も前後席ともに優れていた。e:HEVでは、エンジンは主に発電を行って、駆動はモーターが中心に担当する。その効果により、加速は滑らかでノイズも小さい。WLTCモード燃費は、売れ筋のEXなどが25.6km/Lで、実用燃費も普通に走って25km/L前後に達した。価格も割安で、LXはカーナビなどを標準装着して335万5000円であった。いまのシビックe:HEVは394万200円だから、インサイトは60万円近く安かったのだ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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