新型はアルファードよりヴェルファイアのほうがかなり高い! 一番安いグレード同士で比べると「115万円」もの差がつく理由とは? (2/2ページ)

ヴェルファイアの走り重視のキャラが価格差を生んだ

 そんな疑問をダイレクトに、トヨタの開発者にぶつけてみると、明確な答えが返ってきた。冒頭でも記したように、ヴェルファイアは「走り重視」のキャラクターとなっている。そのために盛り込まれたハードウェアの違いが、この価格差になっているという。

 ハイブリッドの上級グレード「Executive Lounge」でアルファードとヴェルファイアを見比べてみると、ひと目でアルミホイールが異なることに気付くだろう。アルファードのタイヤサイズは225/65R17、ヴェルファイアは225/55R19が標準装備となっている。

 さらにヴェルファイアは全グレードでフロントパフォーマンスブレースといってラジエターサポートとサイドメンバーをつなぐ専用のボディ補強を追加している。加えて、サスペンションのセッティングもスポーティ方向に変えているという。

 タイヤ、ボディ、サスペンションというシャシーチューニングの違いが20万円相当の価値になっているというわけだ。

 さらに、ガソリンエンジン車で比べてみると、装備の違いは大きくなる。

 あらためて言うまでもなく、アルファードは2.5リッターエンジンだが、ヴェルファイアは2.4リッターターボである。過給機をつけることで、どのくらいのコストアップになるのか具体的な数字は教えてもらえなかったが、万単位で高くなってしまうことは理解できる。

 それぞれの内装を比べると、アルファードが合成皮革シートなのに対して、ヴェルファイアはプレミアムナッパの本革シートとなっている。乗員7人全員分のシートにこれだけの差があるのだから、価格アップしてしまうのも納得だ。

 アルファード/ヴェルファイアのフルモデルチェンジ情報を目にしたとき、エントリーグレードで115万円もの価格差があるというのに驚いたかもしれないが、ハードウェアを見比べていけば、納得できるだけの違いあるといえるのも事実。

 本音でいえば、ヴェルファイアのルックスを手ごろな価格で買えるようなグレード設定も望みたいところだが、少なくとも「ヴェルファイアの価格はぼったくりだ」と批判するのはお門違いだ。機能や装備をフラットに見比べても、ヴェルファイアには高価になるだけの違いがあるといえる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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