そんなに事故だらけなの? クルマで走行中に見かける「事故多発」の表示基準とは

この記事をまとめると

■クルマで走行していると「事故多発区間」の表示を見かけることがある

■事故多発区間は一律の判断基準で抽出した全国3196箇所の地点をピックアップしたもの

■事故多発地点マップなどで危険な地点を知っておけば事故リスク軽減にもつながる

「事故多発区間」の表示はどういう基準で設置される?

 走行中、ときどき見かける「事故多発区間」の表示。「多発」というからには、同じ場所で複数回事故が発生しているのだろうが、「事故多発区間」と認定される何か基準はあるのだろうか。

 財団法人交通事故総合分析センターの資料によると、「10年間に1件以上の死亡事故が再起して発生する可能性が高い箇所」 を、 全国一律の判断基準により抽出し、全国で3196箇所の事故多発地点をピックアップしているとのこと。

 その判断基準は、
1:4年間で24件以上の人身事故が発生している箇所
2:正面衝突、追突事故などの事故類型に応じて換算した死亡事故件数が、4年間で0.4件以上となる箇所
3:死亡事故が4年間で2件以上発生している箇所
の3点だ。

 ちなみに全国では、年間で約80万件の交通事故が発生しているので、そのなかから3196箇所に絞るのは、けっこうな作業だ。その内訳を見ると、交差点群が1713箇所、単路群が1483箇所で、交差点群の80%は人口集中地区で、単路群になると、人口集中地区以外の平地(23%)、山地(11%)も増えてくる。

 これらのデータをもとに、道路管理者や公安委員会などが、事故多発地点対策推進協議会が設立され、道路の拡幅や信号機の設置、交差点の改良、歩道の整備、信号現示の改良といった対策に乗り出し、事故削減に向けて動き出しているのが現状だ。

 また、これとは別に一般社団法人日本損害保険協会は、全国の地方新聞社の協力を得て、「全国交通事故多発交差点マップ」を作成、公表。

 人身事故の半数以上が発生する交差点・交差点付近での交通事故の防止・軽減を目的としており、カーナビの地図データにも活用され、ドライバーへの直接的な注意喚起にも役立っている。

 その他、国土交通省も事故危険箇所検索マップを用意しているし、千葉県など県警が交通事故多発交差点を公表している例もある。

 高速道路では、首都高にも「事故多発地点マップ」があり、これらの情報から、あらかじめ危険な地点を知ることは、事故のリスクの軽減にもつながるので、自分の活動エリア内でどこで事故が多いのかは、定期的にチェックしておくといいだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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