売れないのはわかるけどお願いします! クルマ好き熱望の「MTを用意してほしい」モデルを探したらいっぱいあった (2/2ページ)

MTがあればより個性が際立ったかも!

 さらに、世界が認めるオフロードの王者であるトヨタ・ランドクルーザー

 これも、できればMTで操ってみたいという意見が多いモデルです。「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」というのがランクルの長年のテーマ。日本国内を走っている限りは、まったくピンとこないかもしれませんが、砂漠や岩場、泥でタイヤが埋まってしまうような悪路、川を渡らなければならないようなルートを走り抜けなければならない状況では、その土地を知り尽くしたドライバーと、操作し慣れたMTが重宝されることもあるものです。

 とはいえ、最新のランクルに搭載されているアイシン製のトランスミッションは、「Direct Shift-10AT(10速オートマチックトランスミッション)」といって、世界中の過酷な状況での耐久性や信頼性を確保しているもの。同時に新技術「次世代オフロード制御」や「減衰力調整式アブソーバーシステム」、「大型車向けキャリパー体型電動パーキングブレーキ」が採用されていて、ランドクルーザーにふさわしい動力性能と悪路走破性を実現しているといいます。海外ではいまもMT需要が根強いですから、将来的にはどうなるのか注目です。

 さて、日本が誇るスーパーカーとして、数々の伝説を作ってきた日産GT-R。こちらも現行モデルは2ペダルとなるDCTのみのラインアップで登場しました。あちこちから、「MTを設定する予定はないのか?」という要望が相次いでいたようですが、開発陣としてはどれほどラブコールをもらっても、MTを搭載する予定は一切ないという答えです。

 その理由としては、500馬力クラスのハイパワーで、速度が300km/hオーバーも可能とするパフォーマンスは、一般人がMTで操るにはリスクが高すぎるというところが大きいようです。もし、超高速域で走行中にシフトミスがあれば、命を落とす事故につながる可能性もあり、高速コーナリング中にクラッチを切ったりすれば挙動は即乱れ、横滑り防止装置の作動も間に合わないなど、さまざまな可能性が考えられます。

 最低限の運転スキルさえあれば誰でも乗れるスーパーカーであるために、DCTという選択となったのは必然だったのではないでしょうか。ただ、腕に自信のある人からすると、一度でいいから500馬力を自分の思いのままに操ってみたいと夢見るのも、わかる気がしますね。

 最後は、輸入コンパクトカーからMTで乗りたいモデルとして、プジョー 208。208はプジョーの伝統である走りのいいコンパクトカーで、207の後継モデルとして2012年に初代が登場しました。その初代には、しっかりとMTモデルがをラインアップしていたのです。その楽しさは、さすがプジョーと唸らされるほどだったのです。しかし、2020年に2代目となった途端、BEVとなるe-208をラインアップしたことからもわかるように、次世代コンパクトという道を進み、日本ではガソリンモデルには8速ATしか設定されなかったのです。

 プジョーらしい元気で楽しい走りを、新型でもMTで味わってみたかったという人は多いのではないでしょうか。

 フィアット500はたまに限定でMTモデルを日本導入することもあるし、残念ながら生産終了が決定してしまいましたが、ルノー・トゥインゴにもMTモデルがありました。MINIも2020年でMTモデルが終了してしまいましたが、こうした輸入コンパクトをMTで走らせる楽しさは、受け継がれていってほしいものです。

 ということで、MTがあったらいいなと思うモデルたち。限定でもいいから、ぜひ登場を熱望します。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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