リンカーンの北米ラインアップを見て衝撃! 高級セダンで名を馳せたはずのブランドはいまやSUV専売になっていた (2/2ページ)

窮地を救ったナビゲーターがブランドの立ち位置も変えた

アビエーター(Aviator)

ボディサイズ:全長5062mm、全幅2090mm、全高1768mm、ホイールベース3025mm
価格:5万3340ドル(約779万円)〜

 ノーチラスの上に位置するアビエーターは3列シートを備える7人乗りのSUV。コルセアやノーチラスとは異なり、フォードのSUV「エクスプローラー」とプラットフォームを共有するFRレイアウトを採用しています。

 パワーユニットもエクスプローラーと共有。3リッターV6ツインターボエンジンと同エンジンにモーターを組み合わせたPHEVを用意。4WDはPHEVに設定されています。また、4WD仕様にはサスペンションにアクティブダンパーが施されました。

 インテリアは、ノーチラスのような先進性はないものの高級感を備えた素材で構成。上級グレードにはマッサージ機能が備わり、30モードの調整が可能なフロントシートや28個のスピーカーを装備しています。

 3列シートを備えてはいるもののナビゲーターほど室内が広くないため、3列目はあくまで補助席といったイメージ。通常は2列シートと広大なラゲッジルームを備えたSUVとして使用されることが多いでしょう。

ナビゲーター(Navigator)

ボディサイズ:全長5334mm、全幅2383mm、全高1938mm、ホイールベース3112〜3343mm
価格:8万2765ドル(約1270万円)〜

 フルサイズセダンの売れ行きが落ちて窮地に陥ったリンカーンを救ったのが、1997年に登場した初代ナビゲーター。現行モデルは2017年に登場した4代目となります。

 リンカーンのフラッグシップを務めるナビゲーターは、標準ボディと全長を伸ばしたロングボディを用意。プラットフォームはフォードのピックアップトラック「F-150」と同じT3プラットフォームを採用。ただし、リヤサスペンションは独立懸架式マルチリンクを装備しました。

 最上級SUVだけに快適装備は充実。また、先進安全装備も自動緊急ブレーキをはじめハンズオフ機能など多彩な機能が備わります。

 現行モデルのパワーユニットは3.5リッターV6ツインターボエンジンを搭載。同エンジンには10速ATを組み合わせました。

 駆動方式はFRに加え4WDをラインアップ。フロントカメラにより路面状況を検知しダンパーの減衰力を調整するロードプレビュー付きアダプティブサスペンションを備えたモデルを用意するなど、フラッグシップらしい装備が満載です。

リンカーンとは

 第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンを由来とするリンカーンは1917年に創立されたアメリカの自動車メーカー。アメリカ市場ではキャデラックと並ぶ高級車メーカーとして大統領専用車も手がけています(現在はキャデラックが供給)。

 1920年から乗用車の販売を開始しましたが、1922年にフォードが買収。その後、フォードの高級車ブランドとなりました。

 長年、大排気量エンジンを搭載したフルサイズセダンを発売していましたが、オイルショック以降、販売が低迷。

 ただ、1997年にデビューした大型高級SUVのナビゲーターが大ヒット。以降、SUVを中心に販売を続け、現在の北米市場ではSUVのみがラインアップされています。

まとめ

 ナビゲーターをはじめ多彩なSUVをラインアップするリンカーン。ただし、正規販売されていないために、日本ではリンカーンSUVがどのようなモデルを取り揃えているかはあまり知られていません。

 ラグジュアリーブランドのリンカーンが手がけるSUVは、国産SUVとは違う個性を備えているところが魅力。もっとも小さいコルセアですら日本の道路インフラで使用するのは厳しいボディサイズではありますが、日本での販売にも期待したいものです。


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