WRC18勝の伝説のドライバー「ラトバラ+GRヤリス」が「ランクルプラド」に敗れる珍事! ラリー北海道のSS10で何が起こったのか? (2/2ページ)

後半になればなるほど路面コンディションが好転!

 10日のレグ2は好天に恵まれ、暑い日差しが路面を乾かした。当然、出走順が遅くなるほど、路面コンディションはドライ方向へ変化し、ついに、ダストが上がるようになったころに、ラトバラのタイムを更新するドライバーが現れるようになっていった。

 最初にラトバラのタイムを破ったのが、スズキ・スイフトを武器にJN4クラスに参戦していた鈴木正人で、最終的に4番手タイムをマークした。次にブレークスルーを果たしたのが、トヨタ・ヤリスでJN5クラスに参戦していた本名修也で2番手タイムをマーク。そして、3番目に“ラトバラ超え”を果たしたのが、川畑であり、そのタイムでSSウインを獲得したのである。トヨタ・ハイラックスでXC2クラスに参戦していた橘礼太もラトバラのタイムを更新し、3番手でフィニッシュ。

 このようにいくつかの条件が重なり、“ラトバラ超え”というトピックスが誕生したが、彼らラトバラ超えを果たしたメンバーはただ単に運に恵まれたわけではなく、抜群のコントロールをみせていたことは言うまでもない。

 とくに川畑は巨大なプラドで豪快な走りを披露。その卓越したコントロールは迫力満点で、SSS IKEDAに訪れたギャラリーたちもその健闘を讃えるように惜しみない拍手を贈っていた。

 ちなみに、同じ舞台で数時間後に行われたリピートステージのSS11「SSS IKEDA 2」は路面が安定したこともあって、ラトバラがベストタイム、シュコダ・ファビアR5のヘイッキ・コバライネンが2番手タイム、トヨタGRヤリスRally2を駆る勝田範彦が3番手タイムをマークするなど、いわば順当な顔ぶれが上位に並んだ。

 この前代未聞の“下剋上”は、わずか1回の出来事だったが、ラトバラの圧勝とともに2023年のラリー北海道のトピックスとして、記録にも記憶にも残り続けるに違いない。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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