パンクしない……というかそもそも空気が入ってない! 「エアレスタイヤ」がかなり現実味を帯びていた (2/2ページ)

日本のタイヤメーカーもエアレスタイヤの実現を目指している

ブリヂストンは環境に配慮したエアレスタイヤを開発中

 日本のブリヂストンもエアレスタイヤの開発に取り組んでいる。現在、ブリヂストンがターゲットとしているのは小型のEV車両だ。「エアフリーコンセプト」という名称の小型EV向けタイヤは2023年2月から、出光興産千葉事業所の構内移動車両で実証実験を行っている。エアフリーコンセプトは空気に代わってスポークによって荷重を支えており、路面に接する部分はリトレッドが可能となっている。そしてスポーク部分は再生が可能な樹脂でできている。環境配慮を考えたタイヤと言えるだろう。

 この環境配慮を考えたタイヤとEVのキャラクターのマッチングが良いことや、エアフリーコンセプトと出光興産のビジョンの親和性が高かったことから実証実験がスタートした。現在、この実証実験と並行して実用化に向けたロードマップも検討しているとのことなので、市販化への見通しが見えてくる日は近いかもしれない。

TOYOはカラードスポークでドレスアップへの対応も目指す

 エアレスタイヤに取り組んでいる日本のもうひとつのタイヤメーカーがTOYO TIRESだ。2006年からエアレスタイヤの研究に取り組み始め、2012年には試作モデルを人とくるまのテクノロジー展に参考出品した。そして2017年にエアレスコンセプトタイヤ「noair」(ノアイア)を発表している。

 コチラも基本的には小型車での研究開発から始めており、低燃費トレッドゴムを採用するなど、環境配慮も当然行われているが、市販化を見据えてユーザーにより積極的に選ばれるように、スポークのカラーリングを選べるようにするといった、アフターパーツとしての商品性も意識した開発が行われているようだ。

 まだまだ発展途上であるが、無限の可能性を秘めているエアレスタイヤ。今年秋のモビリティショーでは、エアレスタイヤがトレンドのひとつになるかもしれない。新型車に目が行きがちだが、タイヤにも注目してショーを楽しみたいところだ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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