MTはむしろローパワー車でこそ活きる! 使いこなせれば「楽しすぎる」世界が待っているMT車を探してみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■先日のマイナーチェンジでマツダ車からMTモデルが大幅に減ってしまった

■GRスープラやシビックタイプR、GR86などのMT車は街乗りではパワーを持て余す

■小排気量モデルでもMTを設定するモデルはまだ数多く存在し、人馬一体感を味わえる

縮小傾向でありながらもまだまだ新車でMT車は選べる

 2012年に先代CX-5を発売したあとのマツダは「スカイアクティブ技術」と「魂動デザイン」の組み合わせにより、運転の楽しいクルマを開発している。そこで6速MT(マニュアルトランスミッション)も豊富に用意していた。

 ところが最近は、6速MTを選べるマツダ車が減っている。以前はCX-3、CX-30、CX-5、マツダ6(発売時点ではアテンザ)という具合に、幅広い車種に6速MTが用意されたが、いまは省かれてしまった。

 この背景には販売比率がある。発売直後は6速MTも相応に売られたが、需要が一巡すると売れ行きが下がった。先に挙げたマツダ車の場合、6速MTの比率は、大半の車種で5%以下だ。

 しかもいまのマツダ車は、CX-5を除くと、売れ行きが全般的に下がっている。たとえば2023年におけるマツダ6の1カ月平均登録台数は約190台だ。この内の5%が6速MTだとすれば、1カ月の登録台数は10台程度で、商品として成り立ちにくい。

 そうなると、6速MTを用意できるのはスポーツ性の強い車種だ。

 LサイズのスポーツカーではスープラやフェアレディZ。ミドルサイズ以下では、GR86、BRZ、ロードスター、シビックタイプR、GRヤリスという具合だ。このあたりは相応に性能の高いスポーツモデルだから、6速MTが設定されて当然だ。

 ただし、このなかでは比較的ローパワーなGR86などでも、6速MTを駆使して動力性能をフルに発揮させると、法定速度を大幅に超過する。日常的な使用のなかで6速MTをフル活用して、エンジンパワーを引き出すなら、動力性能をもう少し抑えたい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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