トヨタ・ライズHVの受注残分が注文取り消しの事態に! バカ売れ人気車だけに落胆を隠せない販売現場 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■トヨタ・ライズのHVモデルの受注残分について受注が取り消しになった

■同車について製造元であるダイハツ工業による衝突試験での不正行為があったことに起因している

■トヨタ・ライズはガチンコのライバルもいないヒットモデルなだけに販売現場の落胆も大きい

不正の影響はトヨタにまで飛び火

 筆者が耳にしたのは、2023年10月13日夜であったが、ダイハツからのOEM(相手先ブランド供給)車となる、トヨタ・ライズHV(ハイブリッド)の受注残(受注したものの納車されていない)分について受注を取り消すとの情報が入った。

 半年経って兄弟車の受注残分のキャンセルにまで発展して現場スタッフは大混乱

 コンパクトクロスオーバーSUVとなるライズは、ダイハツ・ロッキー(ロッキーハイブリッドも受注取り消しとなっている)のOEMとして2019年11月にデビューしている。自販連(日本自動車販売協会連合会)による、車名(通称名)別販売ランキングによる、暦年締め(1月~12月)年間販売台数をみると、2020年が12万6038台(登録車のみで2位)、2021年8万1880台(登録車のみで6位)、2022年8万3620台(登録車のみで5位)と、発売以来ヒットモデルと呼べる販売実績となっている。

トヨタ・ライズの走行写真

 そのライズに暗雲が垂れ込めたのは2023年5月のこと。2021年に追加したHEV(ハイブリッド車)について、製造元であるダイハツ工業による衝突試験での不正行為が判明した。判明後、速やかに販売及び出荷が停止されていたなか、ついに受注取り消しということになった。なおHEVの販売及び出荷停止後も、ガソリンエンジン搭載車は継続して販売されていた。

 事情通によると「私も長い間新車の販売現場に接してきましたが、いったん注文を受けたものに関して、メーカーが受注を取り消すということは、いままで聞いたことはありませんでした。販売現場もこの一報を聞いたときはかなり混乱したと聞いています」と様子を話してくれた。

 一報が販売現場に伝えられると同時に、ライズHVを発注して納車を待っているお客に対してはライズのガソリン車を中心にヤリスクロスやヤリス、シエンタへ注文車種の変更をお願いするとともに、注文自体をキャンセルして他メーカー車への購入を希望した場合には速やかに対応するようにという指示が、販売現場には入ったそうだ。しかしその後、ライズのガソリン車も新規受注を停止することになり、ヤリスクロス、ヤリス、シエンタなどの各HEVへの注文車種の変更へのお願いや、注文自体のキャンセルに対応するようにと指示が変わったとのことである。

トヨタ・ヤリスの2台並び

「ある販売会社では、対象となるライズHVの受注残台数は200台弱にも及んでいるそうです。前代未聞とも言うべき事態なので具体的な対応策もよくわからず、とにかく菓子折りをもって対象となるお客のもとへ各セールススタッフが謝罪と状況の説明に奔走したそうです。数日間で対象となるお客すべての意向をまとめるようにとの指示もあったようです」(事情通)。

 注文車種の変更といっても、タイミング悪くヤリス及びヤリスクロスが改良の端境期に入っており発注できず、すぐには車種変更手続きができなかったとの情報も入っている。また、ライズHVからヤリスクロスのHEVへ車種変更すると、おおむね40万〜50万円の支払い増となってしまうとのこと。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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