登場したての「N-BOX」と「スペーシア」の訴求色がまさかカブった! ガチライバル2台の「黄色」を買うとして比べるとドッチがお得? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ホンダN-BOXとスズキ・スペーシアが1カ月違いでフルモデルチェンジを発表した

■どちらも訴求色となるカラーが「イエロー」であることが大きなトピックだ

■両車ともに装備内容を考えるとそれほど価格が高くないのがメリットだ

大人気なスーパーハイト軽の新型2台にそっくりな色が登場!?

 2023年秋は「軽スーパーハイトワゴンの戦いの火ぶた」が切って落とされたといえます。

 ご存じのように、同カテゴリーをリードする日本一売れているクルマ「ホンダN-BOX」と、N-BOXを猛追するスズキ・スペーシアというライバルモデルが、ほぼ1カ月違いのタイミング(N-BOX:10月5日、スペーシア:11月9日)でフルモデルチェンジを発表したのです。

 しかも、N-BOXとスペーシアそれぞれの標準系モデルのイメージカラーは、いずれもイエローとなっています。本当に偶然でしょうが、まさにガチンコのライバルと感じた人も多いのではないでしょうか。

スズキ新型スペーシア

 とはいえ、スペーシアがN-BOXの真似をしたわけではありません。

 新車の開発スケジュールというのは基本的に年単位で動いているもので、ライバルの動向を見て、急にイメージカラーを変えるなんてことは、ほとんど不可能です。

 しかもスペーシアの黄色「ミモザイエローパールメタリック」は、このフルモデルチェンジに合わせて開発された新色です。ライバルに合わせて1カ月で新色を開発するなんてことは不可能で、本当に偶然の一致といえるのです。

 ちなみに、N-BOXのイエローは標準系「ファッションスタイル」専用色として用意されている「オータムイエロー・パール」ですが、こちらもN-BOXのフルモデルチェンジに合わせて開発された新色です。

ホンダN-BOX

 奇しくも、ホンダとスズキのカラーデザイナーは、それぞれにこれからの軽スーパーハイトワゴンには新しい風合いのイエローが必要と考えたわけです。

 自動車メーカーのカラーデザイナーが同じタイミングで、新しいイエローを提案しようと考えたことを“偶然”という言葉で片づけてしまうのは間違いでしょう。むしろ、軽スーパーハイトワゴン市場をしっかりとリサーチして、どんな色が求められているのか、どんなカラーであれば個性がアピールできるのかを考え抜いた結論が、同じ方向性となるのは当然の話といえます。

ホンダN-BOX

 とはいえ、結果的に後出しとなったスズキのカラーデザイナー氏にイエローの件をうかがうと「正直悔しいです」とおっしゃっていましたが……。

 それはともかく、新型スペーシアに関しては、もうひとつの新色「トーニーブラウンメタリック」にも注目してほしいと思います。ボディカラーながら、使い込んだ本革の持つ深みにインスパイアされたというブラウンの新提案です。

スズキ・スペーシア

 近年、クロスオーバーSUVを中心にアースカラーと呼ばれるカーキの新解釈といえるボディカラーが各メーカーから続々と登場しています。

 スズキのトーニーブラウンについても、アースカラーの新色という風に捉えたくなるかもしれませんが、本革という自然素材であり工芸品ともいえるものをモチーフにしているのはボディカラーの新トレンドといえるのではないでしょうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
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