【試乗】上質さのアルファードとスポーティなヴェルファイア! 圧倒的な質感でミニバンの王座にゆるぎなし!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新型アルファード/ヴェルファイアに中谷明彦さんが試乗した

■一般道での操舵はやや重めながらもアルファードは安定感と剛性感の高まりを感じた

ヴェルファイアはコーナーでの安定感やステアリング操舵レスポンスの良さなど、スポーツ性が一段と高まっている

運転席に座るのが残念に感じられるほどの後席の特等席感

「快適な移動の幸せを提供することをコンセプトとして開発した」(吉岡CE談)という新型アルファード/ヴェルファイア。いまでは日本国内だけでなく、中国でも圧倒的な評価を得ており、左ハンドルを設定して輸出も行なえるようになっている。

 中国はもともとセダン大国で、とくに後席に対する要求が高かった。それゆえカローラクラスはもとよりヤリスにもロングホイールベース仕様が設定されるなど、日欧米各国はロングホイールベースセダンの拡販に力を注いできた。

 しかし、来日した際にアルファード/ヴェルファイアのハイヤー等でその快適さに魅了され、なんとしても手に入れたいという爆買系中国ユーザーが続出。中国内ではコピー車まで登場する事態となっていた。そうした熱望にも応える形で、新型モデルは正式に国内生産車を中国へ輸出できることとなり注目を集めているのだ。すでに筆者のもとにも中国メディアから寄稿の問い合わせが相次いでおり、国内ユーザー同様に中国ユーザーも新型の情報を渇望している。

 それでは公道試乗をリポートしよう。試乗モデルはアルファードのHEV Efour(エグゼクティブラウンジ)と同FF仕様。ヴェルファイアはHEV E-four(エグゼクティブラウンジ)と2.4リッターガソリンターボのFF(Zプレミア)仕様の計4モデルだ。

 アルファードとヴェルファイアの外観はフロントのラジエターグリルまわりデザインやリヤコンビネーションランプまわりの意匠差で区別ができる。

 新型の開発にあたっては、ヴェルファイアを廃止しアルファードに統合する案も検討されたとのことだが、熱心なヴェルファイアファンの情熱に応える形で存続が決定。意匠だけでなく、乗り味や走りでも明確な差別化が図られているという。

 まずはアルファードのHEV FF(エグゼクティブラウンジ)に試乗する。おそらく、この仕様が販売の中枢になる仕様だと思われる。

 運転席に乗り込む前に電動のサイドスライドドアを開け後席チェック。後席に乗り込もうと足を上げると向こう脛に激痛が走る。じつは新型には全車電動スライドドアと連動するステップが備わっており、ドアを開けている間にステップが脛に触れる位置まで出てくる。気付かずに足を上げるとステップ先端に脛をぶつけてしまうのだった。

 これは新型となったノア/ヴォクシーにも採用されており、同じく脛をぶつけて痛い思いをしたので、位置や形状にもうひと工夫必要だと進言しておいた。

 室内に乗り込んでしまえば、そこは豪華で快適な2列目シートが備わり、十分なスペースが確保された3列目シートが迎え入れてくれる。とくに2列目シートがVIPの定席となると考え、シートの素材や寸法、肘掛けの角度や機能など、これまでの経験を十分活かし、文句を付けようがない特等席として仕立てられている。

 残念ながら運転席に移動して走らせることにする。コクピットではドライバー視点で乗り味を評価することになる。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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