プリウスは「HV」もいいけど「PHEV」はより衝撃的な進化だった! 2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーで10点を入れたクルマとその理由【青山尚暉編】 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーで青山尚暉さんはトヨタ・プリウスに10点を入れた

■トヨタ・プリウスのデザイン面やハイブリッドシステムの巧みさを総合的に評価した

■筆者はとくにPHEVモデルのできのよさを評価した

トヨタ・プリウスに迷いなく10点を投票

 2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、トヨタ・プリウスが圧勝だった。その得点は、60名の選考委員の持ち点、ひとり16点(新ルールでは3台にそれぞれ10点、4点、2点を配点)×60名=960点のうち、360点を獲得。選考委員の半数以上が10点満点を配点し、2位のBMW X1の150点、3位のホンダZR-Vの100点を大きくリードしての受賞である。

 このボクもプリウスに、何の迷いもなく最高評価の10点を投票した。その理由は、COTYで公開されている選考理由にもあるように、「世界の量産HVのパイオニアであるプリウスは5代目で大変身。モノフォルムを継承しつつ発売から1年近く経つ今でもハッとさせるクーペのようなスタイリッシュさが秀逸。低重心パッケージとシステム出力増強による歴代最上の動力性能と走行性能も見事。とくにPHEVはスポーティカー並みの動力性能と高級車並みの静粛性の持ち主。補助金考慮でHVとの価格は接近。今年の顔に相応しい力作」ということになる。

 選考理由は文字数が限られているので補足すると、エクステリアデザインに関して言えば、大径19インチタイヤ&ホイールを標準装備した佇まいは、ほとんどコンセプトカーに匹敵。先代の最大サイズである17インチのタイヤ&ホイールの装着では、5代目プリウスルックは成立していないように思える。

 そしてその19インチタイヤは195/50R19という幅狭の異形サイズであり、燃費と走行性能の両立を目指して特別なサイズを用意しているのだ。タイヤがプリウスのデザイン要素に大きくかかわっていることがわかるひとつのポイントである。

 スポーツクーペを思わせるエクステリアデザインはまさに革新的で、実用ハイブリッド車然としていた1~4代目とプリウスの歴史を分断したかのような、クルマの未来感を発散する新時代のプリウスそのもの。発売からずいぶんたったいまでも、街や高速道路で見かけると「ハッとさせられる」ほど、時間が経過しても新鮮味、インパクト抜群の存在感を示し続けているのである。そんな国産車はなかなかない。

 新型プリウスが「クルマの未来感を発散する」と書いたが、その証拠、強い想いは、ボクと、レースクイーン・オブ・ザ・イヤーにも輝いたタレントの近藤みやびさんが主人公を務めた、プリウスを題材にしたショートムービー『「シン・クルマ」 〜1970年にやって来た、新しすぎたクルマVS謎のカイジュウ〜』で表現させてもらっている(https://www.youtube.com/watch?v=1ySTLtYf5Uc)

 昭和の時代に、未来からプリウスがタイムスリップしてきたら、昭和に生きるボクは、キーレスエントリーで「クルマが喋る」プリウスにどんな反応をするか……という内容で、都会にカイジュウが現れるハチャメチャなストーリーでもある。じつは、その台本を読み、クルマを選定してほしいと言われた際も、迷わず劇車として発売されたばかりのプリウス(白黒ムービーなのでクルマの色を際立たせたいため、赤のプリウスとした)を選定させてもらったほどだった。

 現実に、昭和の時代にプリウスがタイムスリップしてきたとしたら、誰もが未来からやってきた、見たこともない形、想像もできない機能を備えた未来の乗り物だと、大騒ぎになるに違いない。昭和にタイムスリップしてきたクルマが、ボクが4点を配点したスバル・クロストレックや2点を配点したフォルクスワーゲンID.4だったとしたら、プリウスほどの騒ぎになることもないように思う(失礼)。

 そんな新型プリウスを劇車にしたショートムービーの制作時点から、「今年の1台はプリウスで決まりだろう」と感じていたのだ。これ以上にインパクトのあるクルマが出ない限り……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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