日本車は手堅いなんて誰がいった? 犠牲を払ってでも「攻めに攻めた」敬服必至のクルマ3台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■手堅い印象の国産車のなかにも何かを犠牲にしてでも実現させたいものを有していたモデルがあった

■デザインを優先して機能を犠牲にした数少ないモデルをピックアップ

■走行性能に全振りして燃費を度外視していたモデルもあった

日本車のイメージを超えた個性的な日本車がある

 日本で作られている国産車、または日系メーカーが設計しているクルマは「日本車」と呼ばれることが多い。メーカーにより個性の違いはあれど、「日本車」という響きには、耐久性や信頼性の高さをイメージさせられる。使い勝手や走行性能などについても、とにかくバランスよく欠点をなくす設計というイメージが強いのではないだろうか。

 ポジティブにいえば手堅い設計を想像させるだろうが、一部の趣味人からすると「日本車には面白味がない」といった厳しめの評価が定着していたりもするだろう。

 そんな日本車・国産車にも、ある特定の性能やデザインを求めたばかりに何かを犠牲にしてしまった、一点突破型ともいえるモデルが少なからず存在している。ここでは、そうした個性的な日本車を3台ピックアップ、筆者が勝手につけたキャッチコピーとともに紹介したいと思う。

空力最優先のボディ:ホンダ・インサイト(初代)

 世界初の量産ハイブリッド乗用車であるトヨタ・プリウスに対抗してホンダが燃費スペシャルマシンとして生み出したのが初代インサイト。オールアルミボディに専用3気筒エンジン+薄型モーターのハイブリッドシステムを積んでいた。

 いまとなってはマイルドハイブリッドに分類されるような電動パワートレインではあったが、とにかく空力に優れた軽量ボディのおかげで北米では燃費ナンバーワンとして名を馳せたモデルだ。

 じつは筆者は初代インサイト(5速MT車)のオーナーだったこともあるのだが、たしかに燃費性能は優れているし、高速道路でクラッチを切るとほとんど速度が落ちないと感じるほどの走行抵抗の小ささにも驚かされたという印象は鮮明に残っている。一方、ボディはコンパクトだが、後方視界については量産車としてはワーストといっていいレベルにあり、市街地での取りまわし性能はけっしていいとはいえなかった。

 とくに苦手だったのはバック駐車。後ろにいくにつて絞り込まれたボディ、空気抵抗を減らすためのリヤタイヤカバーといったデザインのおかげで、ドアミラーを見てクルマを真っ直ぐに止めるのは至難の業だったと記憶している。

 その理由はミラーに映るボディが絞り込まれすぎており、タイヤも見えないために混乱してしまうからだ。むしろドライバーの感覚だけで運転したほうが真っ直ぐにバック駐車できると個人的には感じたものだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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